円覚寺南方流

十一月は立花実山忌-南方流々祖実山居士献茶式-のお茶会でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

十一月は立花実山忌-南方流々祖実山居士献茶式-のお茶会でした。

南方流を継承する博多の円覚寺に伝承される『南方録』。南方流茶道の根本です。南方録研究には諸説あるようですが、先生方に教えていただいて、わたしは熊倉功夫先生解説の『南方録を読む』(淡交社)を、教科書としています。千利休・南坊宗啓・立花実山の三名の存在があって、『南方録』は完成しているのだと解釈しています。その一人、立花実山を祀る茶会が毎秋十一月。

今年の実山忌は、わたしが入門した時からずっとご一緒にお稽古をさせていただいている方が、「お献茶」を奉納なさるとあって、特に嬉しい日でした。南方流での、お稽古の進み具合を確認する節目には大きく三つあり、「お献茶」は「懐石」に続く二つ目のタイミングとなります。お献茶することが決まってからの、稽古に勤しんでおられる姿も拝見していましたので、無事に終えられた安堵の表情に、こちらまで嬉しくなりました。

献茶式が終わると、こちらも恒例となった、和尚さんによる南方流を読み解くお話があります。本を読んでも、なかなか頭に入ってこないことも、和尚さんに読み聞かせていただくと、少しは理解できるような気がするから不思議なものです。南方録は分量がありますので、毎回少しづつ。それが終わると、お昼のお弁当をいただいて、濃茶・薄茶の拝服です。今回はお茶席の組み合わせなどを決める係を仰せつかっていましたので、とても緊張しましたが、どのお席からも楽しそうな談笑の様子が伝わってきて、ホッと致しました。

おかげさまで、今年の実山忌も、とても充実した一日となりました。ありがとうございました。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。