南方流

実山忌の献茶式とお茶会でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

実山忌の献茶式とお茶会でした。

今年最後のお茶会は、実山忌でした。南方流の円覚寺に伝承される『南方録』。千利休、南坊宗啓、立花実山の三名の存在があって、『南方録』が出来上がっているのだと解釈しています。その一人、立花実山を祀る茶会は毎秋十一月。円覚寺本堂での献茶式とご焼香に続いては、和尚様による『南方録』の読解があります。南方録の解釈は、自分一人で本を読んでも困難なばかりですが、和尚様が毎回「わかる方も、わからない方も、お聞きください」とおっしゃってくださるので、気持ちが楽になります。

南方録の講話が終わると、残茶拝復のお茶会です。今年のお茶会では、濃茶の亭主を一席務めるよう指名されました。南方会のお茶会で亭主を務めるのは、ずいぶんしばらくぶりです。コロナ禍下では使っていなかった三畳のお茶室を、久しぶりに開いてのお点前ということもあり、前日のお掃除と準備が終わった後、お茶室の確認とお点前の確認を先生にお願いしました。ご多忙のなか、先生や先輩が残ってご指導くださり、ほんとうにありがたいことです。

さて当日は、前日に練習をしたものの、緊張で軽くパニックになりつつ、お点前。正客の先生が「おいしい!良くきれいに練れていますよ」とおっしゃってくださったのに救われて、随所で点前を凡ミスしながらも、なんとか席を務めることが出来ました。三畳のお茶室で温かく見守ってくださったお客様、水屋をサポートしてくださった皆さま、そして常日頃からお稽古をつけてくださっている先生方と同輩の皆さまに、心より感謝の一日でした。

ところで、茶道流派の「南方流」と「南坊流」は違うの?というご質問をいただくことがあります。これについては、わかりやすい説明が茶道南方流の公式サイトにありました。

Q.「南方流なんぽうりゅう」と「南坊流なんぼうりゅう」と、どう違うのですか?
A.そもそもは同じ志で茶の稽古をしておりますが、現在は「南方流」、「南坊流」はそれぞれ別の組織で活動をしております。
円覚寺での稽古は「南方流(なんぽうりゅう」になりますので、お間違えのないようお願い致します。

南方流茶道のご案内(茶道南方流公式サイト)より

次のお茶会は、年明けの初釜茶会となります。とても楽しみです♪

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。