ロンドン

映画『ダウントン・アビー』を観て参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

映画『ダウントン・アビー』を観て参りました。

2022年の目標「月に1本は(映画館で)映画を観る!」。5月・7月・9月と映画館に足を運び損ねてしまいました。10月1日映画の日は、封切りを楽しみにしていた『ダウントンアビー』劇場版の第二段。映画の前作は2020年1月でしたので、2年半以上ぶりです。

美しい景色と素晴らしい建物、設え、衣装。たっぷりと目の保養が出来ました。そして今回もユーモアたっぷりのストーリー。登場人物の一人一人がとっても魅力的なのも相変わらずです。わたしはこの世界観が好きなのだなぁとあらためて思いました。

今回個人的に特に面白かったのは、わがままな映画女優と、彼女をいさめる屋敷使用人とのやり取り。つい先日『英国メイド マーガレットの回想』を読んだばかりだったのがグッドタイミングでした。『英国メイド マーガレットの回想』の著者は1907年で、キッチンメイドとして働き始めたのは1920年代でしたので、今回のダウントン・アビーの舞台1928年と、ちょうど合致。時代背景や、当時の階級制度がよくわかったのは、本作を観るにあたってラッキーな収穫でした。おかげでそれぞれのセリフの背後にある想いがすんなりと腑に落ちました。

人気が出てちやほやされている映画女優も、そもそもは「ワーキング・クラス」からの成り上がり。そのわがまま女優がプライドを傷つけられて「こんな仕事できない」と言ったときに、若いキッチンメイドが慰めるどころか「何言ってるの、あんたはわたしたちの側の人間よ。さあ、仕事よ、仕事!行きなさい!」と、少々乱暴な言葉で励ますシーン。その女優が見事に映画撮影をやり遂げ、屋敷を去るまえに「下」に挨拶に行ってくるわね、とにっこりするシーン。最後にキッチンメイドが女優に「なにかあったときは、あなたの根っこを思い出して」と送り出すシーン。

本作のなかではサイドストーリー的位置づけのこんなシーンの数々が、とっても心に響いて温かい気持ちになりまた。ダウントン・アビー、観てきたばかりですが、また数年後にでも第3弾が製作されたら嬉しいな、と楽しみにしています。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。