本ふたつ

こんにちは!ふじゆりです。

前回の投稿からずいぶんと時間がたってしまいました。

錦牡丹文茶碗

津屋崎の花祭窯へは、遠路訪ねてきてくださる方も多くいらっしゃいます。
皆さん、ここを目的に、アポイントをとっていらしてくださる方がほとんどで、
ほんとうに嬉しくありがたいかぎりです。

お越しいただくと、2時間3時間とゆっくりお話をすることも多々。

今、そんな皆さまに、より器と空間を楽しんでいただけるよういろいろと考えています。
知恵をしぼり、たくさんの方の力を借りて、もうすぐ形になろうとしています。

この思いを形にするために、くりかえし読んでいる本がふたつ。

ひとつは先日もちょっと紹介した、福原義春さんの『美-「見えないものをみる」ということ-』
もうひとつが、岡倉天心『The Book of Tea』

『美-「見えないものをみる」ということ-』には、これまで自分が頭や心で思っていても
上手に言葉に変換できなかった思いが、たくさん文字になっていました。

●現代の問題点は「高水準でありながら(均質化されて)質の劣る暮らし」である。
●「文明が文化を駆逐する」のを阻止しなければならない。
●人間らしく生きていくためには、多様性と人間らしい感性(感受性)を取り戻すことが必要。

そして「美」(自然・本物・文化)は、単に贅沢なものなのではなく
「美とは人間にとって正義や愛と同じような、いわば本能的な価値」
というある種の結論に、とても納得したのでした。

また、とくに「ものづくり」という点では

●ものづくりを分業化せず一人で行うことによって、つくったものが、つくった人のアイデンティティや魂と一致する。
●「本歌取り」「見立て」によって日本人は文化を進化させてきた。これは「質を落としながらのコピー」とは根本的に異なる。
●過去の知的資産に触れることは、単に過去を知るだけではなく、何よりも未来を考えるのに役立つ。

というところに、深く共感したのでした。

著者の福原義春さんの教養の深さ・バックボーンの厚さには、とうてい辿り着けるものではありませんが
少しでも近づけるような空間づくりができればと思っています。

『The Book of Tea』については、また次回(^^)

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯(はなまつりがま)の内儀(おかみ)であり、Meet Me at Artを主宰するアートエデュケーターでもある、ふじゆり のブログです。