藤吉憲典陶箱

様式を生み出す。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

様式を生み出す。

昨日は尊敬する建築家ご夫妻が、花祭窯に遊びに来てくださいました。ちょうど西麻布桃居さんでの藤吉憲典陶展に向けて準備している作品が揃いつつあるところで、一足早くご覧いただくことができました。

そのなかで飛び出したのが「藤吉さんの作品を観ていると、新しい時代の様式が生まれるという確信が感じられるよね」という言葉。つくり手であるダンナにとって、これ以上ない激励をいただきました。

そういえば、「骨董の名品のように、代々受け継がれ何百年先にも愛でられるものをつくる」ということを常々考えてはいても、「様式を生み出し、遺す」という発想はありませんでした。新しい様式を遺すという観点があった!と、大きな発見をした気分でした。

やきもの、なかでも肥前磁器の世界で様式といってまず思い浮かぶのは「柿右衛門様式」であったり「鍋島様式」であったりします。様式という観点で、これまでに藤吉憲典が作ってきているものを思い返してみると、確かに 「藤吉様式」とでも呼べるものが確実に生まれ、育ちつつあると言えそうです。

「藤吉様式」ではなんだか硬いから、新しい様式としてどんな名前を付けたらカッコよくしっくりくるかしら、などと楽しく妄想中です。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。