南方流 報恩寺野点茶会

毎年恒例、南方流の秋のお茶行事―香椎宮で献茶式&報恩寺で野点茶会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

毎年恒例、南方流の秋のお茶行事―香椎宮で献茶式&報恩寺で野点茶会。

毎年10月に行われている茶道南方流の香椎宮献茶式と野点茶会は、今年は9月末の開催となりました。南方流のお茶会は「稽古茶会」で、客側と亭主側の仕事の両方を学ぶことができる、貴重なお稽古の機会です。お茶会は、その前日の準備とセットであり、南方流では、お茶会前日と当日に生じる仕事に合わせて係があります。わたしはこれまでの「前日お弁当準備係」と「つくばい洗い係」を卒業し、今回から「席決め係」チームに入ることを仰せつかりました。今回はその初仕事となりました。

「席決め」は文字通りお茶席の正客、次客、末客を決める仕事です。お茶会ではこの3名の役割をどなたにお願いするか決めておくことが肝要。ここが決まれば、それ以外のお席のおおよその順番は決めますが、実際には席入りする方々にお任せです。あとは、たとえば今回がお茶会初参加の方があれば、前後にキャリアのある方に入っていただくなど、ちょっとした配慮をすること。そして、おもてなしする亭主側の水屋仕事をする、点て出し係、お運び係などを決めるのも、この仕事に含まれます。お茶会に参加する皆さんのことを把握することが必要で、細かい気配りが求められる仕事だとわかりました。慣れるまでは頭がグルグルなりそうですが、ご指導くださる先輩がいらっしゃいますので、安心して学んでまいります。

さて当日はお天気が心配されましたが、次第に雲が晴れてきて、無事に野点の二席を行うことができました。ツクツクボウシが鳴き、枯れ葉が舞うなかでのお茶会は、陽射しのなかでもすがすがしく、気持ちの良い時間でした。今回わたしは、和尚さんと同じ席でしたので、長年続いている南方流の野点茶会について講釈を伺うことができて、嬉しくありがたいお茶会となりました。お世話になりました皆さま、ありがとうございました。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。