生業としての、陶芸作家。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

生業としての、陶芸作家。

創業から23年目に入った花祭窯。わたしたちにとって、花祭窯を継続するということは、「陶芸作家・藤吉憲典」を生業(なりわい)として成り立たせるためにどうしたらいいか?の問いかけに答え続けることです。これまでもこれからも、ずっとそうなのだろうと思います。

「陶芸作家」を名乗っている人は世のなかにたくさんいます。プロもアマチュアも同じように名乗るし、プロのなかでも専業作家と兼業作家があります。集合体の代表としてのプロデューサー的「作家」業も一般的です。 その在り方は千差万別。これは「アーティスト」や「芸術家」も同じですね。

陶芸作家としていろいろな在り方があるなかで「ほんとうにやりたいことは何か」「何をプライドとするのか」が、常に自分たちの進むべき道の基準になってきました。事業における「志(ビジョン)」とか「使命(ミッション)」とか言われる部分。

目指す方向に進んでいくためには、常に「新しい何か」に取り組みながらの変化が生まれました。そして新しいことを採り入れるときには、必然的にそれまでのやり方との決別や見直しが伴います。それが小さなことであっても「スクラップアンドビルド」の繰り返し。

これまでうまくいってきた部分を新しい要素に置き換えることは、上手くいっていなかった部分に改善を試みることよりも、心理的にプレッシャーがかかります。いろいろと準備をしても「これで十分」と思えることはほとんどなくて、たどり着くのは「イチかバチか」の心持ち。

そんなわけで、23年目に入った今も「生業としての、陶芸作家」の「自分たちが求める、あるべき姿」への探求は続いています。20年後も30年後も、同じことを言っているような気がしますが、もしかしたら、その探求の試行錯誤こそが醍醐味なのかもしれませんね。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。