こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
続・『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し(その2)。
「その1」では、エジプト・メソポタミア文明からエーゲ・ギリシャ文明までをまとめました。
「その2」では、エトルリア・ローマから初期キリスト教・ビザンティン、続くロマネスク・ゴシックまで。上の写真はゴシック建築。
エトルリア美術・ローマ美術(紀元前10世紀頃~紀元後4世紀頃)
- エトルリア=墳墓美術:墳墓の建築、彫刻、絵画。
- ローマ美術=ギリシャ美術+神話体系に基づく独自美術への発展。
- 彫刻群:騎馬像・皇帝像などが増える。より高度な写実性。
- ネクロポリス(死の街)=死後の世界を彩る壁画・彫刻の発展。
- エトルリアでは大理石が採れない→テラコッタ(粘土の素焼き)による彫刻作品。
- 巨大建築とアーチ。
- ギリシャ彫刻ブーム→ブロンズ(戦争時に溶かして失われた)、大理石によるコピー作品。
- ポンペイの壁画群:フレスコ画。
初期キリスト教・ビザンティン(3世紀~15世紀半ば)
- 偶像崇拝禁止時代のキリスト教美術=イコンによる板絵形式の聖像やモザイク壁画。
- ビザンティン美術=ローマ(政治)、ギリシャ(地理)、ヘレニズム美術(文化)の影響+イスラム文化。
- ケルト美術=鉄器文明の初期普及段階を担ったケルト民族。古来の自然崇拝を土壌とする動植物文様や一筆書き状の組紐や無限に続くかのような渦巻き文様による高い装飾性:写本装飾、金属工芸。
- 聖堂建築のはじまり。
- ラヴェンナのモザイク画:表面の凹凸と色彩による表現。
ロマネスク・ゴシック(10世紀~14世紀)
- ロマネスク・ゴシック=教会建築、祭壇画、ステンドグラス、装飾写本。
- 聖遺物容器:それ自体が崇敬の対象となる特殊な工芸品。
- ロマネスク教会:柱頭、半円形壁面(ティンパヌム、タンパン)が、説話的場面を彫り込むレリーフ(浮彫)の表現場に。
- ロマネスク彫刻=教会彫刻の隆盛:柱頭彫刻とタンパンがレリーフ(浮彫)用の大画面(壁面)。
- ゴシック教会=尖頭アーチと交差ヴォールト、ステンドグラス。
- 装飾写本美術とタペストリー:一般的な絵画(壁画とタブロー)以外の絵画表現。
『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)より
こうして文字に書き出すと、頭の中の整理になりますね。続き「その3」では、ルネッサンスに入ります。