福津市カメリア図書館

美術館・博物館・図書館でのおしゃべりは厳禁なのか?

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

美術館・博物館・図書館でのおしゃべりは厳禁なのか?

先日、いつも使っているカメリア図書館で、素敵な掲示が目に入りました。上の写真がそれ。

学芸員研修などで美術館・博物館の方たちとお会いするなかで、よく話題にのぼるものに「鑑賞マナーをどう考えるか」というものがあります。

走らない、大声を出さない、携帯電話は使わない、作品に触らない…いろいろありますが、実は「そんなに大きな声でなければ、おしゃべりするのはOKだと思う」とおっしゃる学芸員さんがほとんどです。気持ち的にはむしろ「展示を見て、作品についての感想を話しあったりして楽しんで欲しい」と。

ところが、実際に日本の美術館・博物館でおしゃべりをしながら観覧していると、それが展示作品に関連する内容であっても、展示室の監視員さんから「少し静かにしてください」と言われたり、声を掛けられないまでも、視線で牽制される(笑)ことが少なくありません。

話を聞いてみると、「静かに」というプレッシャーは多くの場合、別の観覧者の方からの要望が背景にあるようです。実際には、迷惑になるほどの話声であることは少ないようですが、どちらかというと「美術展は静かに観るもの!」という価値観に端を発していると思われるケースが多そうです。学芸員の方も板挟みになっているのですね。

カメリア図書館での掲示を見て、それぞれの館が、このように自館の意思表示を続けていくことが解決につながるかも!と、思いました。より展示を楽しむためにおしゃべりしながら観るのはOKですよ、という気持ちが伝わる掲示ができるといいですね。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。