聖福寺

聖福寺さんでの献茶のお手伝いに参加してまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

聖福寺さんでの献茶のお手伝いに参加してまいりました。

9月5日は栄西禅師の命日。日本最初の禅寺と言われる聖福寺開祖の栄西禅師は、日本に「茶」をもたらしたと言われています。毎年、その前日9月4日に聖福寺の開山忌・栄西禅師の供養が行われています。わたしが入門している茶道南方流・円覚寺は、聖福寺さんの塔頭であり、毎年献茶を行っています。わたしがはじめてお手伝いに参加したのは、3年前のことでした。

お手伝いといっても、わたしにできるのは献茶式に使う道具を運ぶぐらいのこと。それでも、式典がスタートする時間にちょうど良いようにお湯を沸かし運ぶタイミングなど、いろいろと学ぶことが多く。また、献茶式の様子を近くで拝見することが出来る、貴重な機会でもあります。献茶のお点前をする和尚様のほぼ真後ろの席でしたので、手元を拝見することはできませんでしたが、無駄のない美しい動きにため息が出ます。

始まる前のちょっとした待ち時間に、和尚様から、現在のわたし自身のお稽古の進み具合を尋ねられました。今わたしは「盆点て」のお稽古中。盆点ての先のお稽古の進み方と、わたし自身が「献茶」のお点前ができるようになるまでの道筋をざっと教えてくださり、「そのように考えると、今日みたいな献茶を見る目もまた変わると思いますよ」とご指南くださいました。このように入門者一人一人に目を配ってくださることが、とてもありがたいです。

献茶のお点前に続く読経の儀式は、これまた素晴らしい体験でした。仏殿に響く、何十にも重なるお坊様の声は、荘厳な音として体全体に響いてきます。何人ものお坊様が連なって歩きながらお経を唱えるご様子は、ちょっと異次元空間に迷い込んだ感じもして、頭のなかが空っぽになり、すっきりといたしました。

また来年、この機会が楽しみです。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。