こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
職人と芸術家はどこが違うのか。
今更ですが、花祭窯開業以来の命題かもしれません。ダンナの陶芸作家という立ち場、作るものに、どんなレッテルを貼るか。似たような議論に「芸術か、デザインか、工芸か」というものもあって、別にどれでもよい(あるいは、どれとも言える)と思いながら、ずっと頭の片隅に引っかかっていた時期がありました。
ここ数年は、陶芸家であり磁器彫刻家であり、となってきて、肩書うんぬんよりは「藤吉憲典」というジャンルで説明できると思いはじめております。そんなわけで「職人か芸術家か」など、ほとんど気にならなくなっていたところへ、思いがけずあっけなく答えが書いてあるページに遭遇(笑)。
『手と頭で仕事をするのは職人です。
手と頭と心で仕事をする人は芸術家です。
アッシジの聖フランチェスコ』
高級大理石の産地である、イタリアはカッラーラ地方にある美術アカデミーのサイトに、このように書いてありました。なるほど、想像力・創造力が生まれるのは「心」から。両者の違いは、仕事に「心」の入り込む余地がどれほどあるかの違い、という解釈は一理、うなずけるものです。それにしても簡潔に表されている言葉だなぁ、と思いました。
ところで、「アッシジの聖フランチェスコ」とは誰?の疑問には、そのものずばりのタイトルの書籍が、平凡社ライブラリーから出ておりました。ウィキペディアによると、フランシスコ会の創設者として知られ、清貧と平和の思想を持ったカトリック修道士とのこと。数々の逸話が残っているようで、歌劇にもなっているのですね。そのうちこの本も読んでみたいと思います。