藤吉憲典 貝陶箱

職人と芸術家はどこが違うのか。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

職人と芸術家はどこが違うのか。

今更ですが、花祭窯開業以来の命題かもしれません。ダンナの陶芸作家という立ち場、作るものに、どんなレッテルを貼るか。似たような議論に「芸術か、デザインか、工芸か」というものもあって、別にどれでもよい(あるいは、どれとも言える)と思いながら、ずっと頭の片隅に引っかかっていた時期がありました。

ここ数年は、陶芸家であり磁器彫刻家であり、となってきて、肩書うんぬんよりは「藤吉憲典」というジャンルで説明できると思いはじめております。そんなわけで「職人か芸術家か」など、ほとんど気にならなくなっていたところへ、思いがけずあっけなく答えが書いてあるページに遭遇(笑)。

『手と頭で仕事をするのは職人です。
手と頭と心で仕事をする人は芸術家です。
アッシジの聖フランチェスコ』

高級大理石の産地である、イタリアはカッラーラ地方にある美術アカデミーのサイトに、このように書いてありました。なるほど、想像力・創造力が生まれるのは「心」から。両者の違いは、仕事に「心」の入り込む余地がどれほどあるかの違い、という解釈は一理、うなずけるものです。それにしても簡潔に表されている言葉だなぁ、と思いました。

ところで、「アッシジの聖フランチェスコ」とは誰?の疑問には、そのものずばりのタイトルの書籍が、平凡社ライブラリーから出ておりました。ウィキペディアによると、フランシスコ会の創設者として知られ、清貧と平和の思想を持ったカトリック修道士とのこと。数々の逸話が残っているようで、歌劇にもなっているのですね。そのうちこの本も読んでみたいと思います。

『アシジの聖フランシスコ』 (平凡社ライブラリー)

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。