津屋崎 花祭窯

花祭窯は古民家なので、少しづつ修繕しながら住み継ぐことが必要で。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯は古民家なので、少しづつ修繕しながら住み継ぐことが必要で。

現在花祭窯がお世話になっている建物は、昭和元年に建ったと伺っていますので、おおよそ築100年です。わたしたちが入居する前は何年も空き家になっていて、その前には借りて住んでいた人が何人かあったとのこと。その間にリフォームされている部分も、かなりありました。2012年に工房を移転してきたタイミングで、まあまあ大掛かりな改修をしましたが、その多くは「できるだけ建った時の状態に戻す」作業でもありました。フローリングになった板を外して土間を復活させたり、あとから張り付けられた天井を外して梁が見えるようにしたり。現代建築の便利さや快適さとは逆を行く修繕です。とはいえ手を入れようとすれば果てしなく修正すべき箇所がありましたので、優先順位をつけて、できるところから。

10年以上が経ち、その間も都度修繕を重ねてきましたが、古民家の良さを維持しながら、今後も長持ちするようにと考えるのは、建築素人のわたしたちだけでは難しいことです。幸い信頼できる建築家さんや建設会社さんがご近所にいらっしゃいますので、ことあるごとに意見を聞いたり、困ったときには教えていただいたりしながら、少しづつ修繕をしています。下の写真は移転してきてすぐのころ。こうして見直すと、そういえば格子戸も破損したり無くなったりしていたのを、古い建具から合うものを探し出してきてつけ直したのだったなぁ、などと、思い出します。修繕の必要な個所を見ていると、古くからの部分の老朽化ももちろんあるものの、途中でリフォームが入るなどの手が入ったところをきっかけに傷んでいるところが多いということに気づきます。

津屋崎千軒古民家、花祭窯

文化財的価値のある建物。わたしたちにできることは限られていますが、できるだけその価値を損なわないように、ここから100年後もこの建物が受け継がれているようにと、心しています。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。