藤吉憲典 鳥と唐草陶箱

芸術家の妄想力。イメージが具現化するということ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

芸術家の妄想力。イメージが具現化するということ。

磁器作家として独立したときから(正確にはその前から)、ダンナ・藤吉憲典は風呂敷を広げることが得意です。「こんな陶芸家になる」のイメージを具体的に言葉にできるのは、作家・アーティストとして必要な要素のひとつかもしれません。アーティストに限らず、自ら事業を起こす人は、そういう具体的な成功イメージをはっきりと持っている方が少なくないと感じます。ダンナの場合、成功イメージを説明する形容方法が特異で面白いのが、伴走者としては愉快なところ。

そんな「こんな陶芸家になる」の形容のひとつに、「学校の教科書に載る」というのがあったのです。独立してやっと自分の作品を作り始めたぐらいの時代から、ずっとそんなことを言っており、息子が小学校に上がる頃には「お父さんそのうち教科書に載るから」と、具体的な根拠はまったく無いのに言っていました。

が、そんなイメージが具現化するお話をいただきました。詳細の情報公開は一年先2023年4月以降になりますので、現段階ではここに書けないのがちょっぴりもどかしいのですが、こんなことってあるのだなぁ…というのが正直な感想です。

藤吉憲典が作家として独立した理由の一つに、肥前磁器(古伊万里、有田、鍋島などの総称)の技法・文化が、このままでは文献のなかに眠ってしまうという危機感がありました。また作陶理念には「肥前陶磁の伝統技術・文化の継承を、生きた個性で形にする」と挙げています。まさにそこに共感・理解してくださった結果としてのお話でした。ありがたく、嬉しい限りです。

まずは一年先の情報公開を楽しみに。そして次に具現化するのは、どんなイメージか。こういうところにも、アーティストの伴走者としての仕事の面白さがあります。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。