桃居 藤吉憲典個展2025

藤吉憲典の器に会えるギャラリー・お店情報など2025―その1。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典の器に会えるギャラリー・お店情報など2025―その1。

少し前にもご紹介しましたが、今年の6月に、藤吉憲典公式サイトの日本語版が完成しました。

今回のリニューアルでは、藤吉憲典の作品を取り扱ってくださっているギャラリーさんを追加掲載するのも目的の一つでした。「どこに行ったら見れるの?買えるの?」の疑問をお持ちの皆さんに、ご参照いただけると嬉しいです。トップページの下方に「GALLERY」コンテンツを掲載しています。2025年7月現在の情報です。

藤吉憲典公式サイト 日本語版 https://fujiyoshikensuke.com/ja/

せっかくなので、あらためてこちらのブログでもご紹介していこうと思い立ちました。ギャラリーさんだけでなく、料理屋さんで使ってくださっているところも、ご紹介していけたらと思います。トップバッターは、5月に個展でお世話になったばかりの桃居さんです。


桃居(とうきょ)

1987年のオープン以来、オーナー広瀬さんが、顔の見える作家の「美しい仕事」を探り出し、顔の見えるお客様へと橋渡しをしている名ギャラリーです。

東京都港区西麻布2-25-13
Tel:03-3797-4494
営業時間:11:00~18:00(最終日は17:00まで)
毎月、1日~6日・11日~16日・21日~26日
http://www.toukyo.com/


広瀬さんがお店を開いたのが1987年、花祭窯は1997年スタートです。いつからお付き合いが始まったか、正確には覚えていないのですが、2000年頃だと思います。土ものの作家さんを中心に扱っておられた桃居さんでしたが、その審美眼に適いたいと、作品を見ていただくためにアポイントをとったのが、一番最初でした。

藤吉憲典が磁器作家として活動をスタートしてから、いくつものギャラリーさんにお世話になっていますが、現在もお付き合いのあるギャラリーオーナーさんのなかでは、桃居の広瀬さんは一番長いお付き合いです。息子がわたしのおなかの中にいた時も、桃居さんの個展に在廊した思い出があります。長年の何回もの個展のなかでも特に印象深いのが、2011年東日本大震災が起こった後の個展でした。広瀬さんは「こんな時期だから、お客様が一人も来ないことも考えられます」とおっしゃり、延期の選択肢も示してくださいました。わたしたちは、こんなときだからこそ、せめて自分たちにできることは「いつもどおり」を貫くことだと思い、予定通りに開催をお願いしました。ふたを開けたら、地震のあと怖くて辛くて外出できなかったというお客様が、「桃居さんで藤吉さんの器が見れるから」を目指して、何人も会場にお越しになられたのでした。

広瀬さんのすごいところは、いつも、ずっと、相手が誰でも、常に丁寧なスタンスが変わらないこと。こんなふうな人物になれたらすごいけれど、ぜったいに自分には無理だと思うほどに、すごい人です。わたしたち、とくに藤吉憲典にとっては、広瀬さんの存在は、ある種心の拠り所になっていました。何を作っても、それが全力で作ったものであれば、評価し受け入れてくださる度量の大きさと、ご自身の揺らがない価値観・美意識を示してくださいました。ビジネス的なことをいうならば、多くの人気作家さんを抱える桃居さんのなかで、藤吉の個展は売上的に貢献の大きいものではなかったと思います。それでも毎回個展が終わると「次回・再来年もよろしくお願いします。楽しみにしています」と必ずおっしゃってくださり、それが心からの言葉であったからこそ、作家にとって大きなモチベーションでした。

これからもずっと、広瀬さんから学び続けたいと思っています。


「藤吉憲典の器に会えるギャラリー・お店情報など2025」次回は、南青山の百福(ももふく)さんをご紹介いたします^^

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。