京都東寺

読書『うえから京都』(角川春樹事務所)篠友子著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『うえから京都』(角川春樹事務所)篠友子著

お盆読書2冊目は、角川春樹事務所出版のエンターテインメント。タイトルに惹かれて手に取りました。著者の篠友子さんのデビュー作で、2022年7月第1刷となっていますので、出来立てほやほやだったようです。痛快で、336ページを一気にあっさりと読むことが出来ました。

ストーリーは、日本を刷新しようと京阪神(京都府・大阪府・兵庫県)が手を結び、首都分散を目指して東京に向かう、その手を結ぶまでを中心に描いたもの。もともと反目しあっていた京都と大阪、それを眺める兵庫と、各府県を代弁する登場人物のキャラクタライズが面白く、関西圏に住んだことがある者にとっては「あるある!」あるいは「ありそう!」の連続でした。

著者の願いが入っているお話なのだろうと思いつつ、「日本は今のままでいいとお思いですか?」というようなセリフを何度も登場させるあたり、読む側にも問題提起しています。そう思えば、単純に痛快エンターテインメントという評価だけで片付けてしまってはいけないのかもしれません。

『うえから京都』(角川春樹事務所)篠友子著

ちなみに、↓お盆読書1冊目はこちら↓

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。