読書『くらべてわかる世界の美しい美術と建築』

読書『くらべてわかる世界の美しい美術と建築』(エクスナレッジ)五十嵐太郎 編

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『くらべてわかる世界の美しい美術と建築』(エクスナレッジ)五十嵐太郎 編

今月初めに読んだ『世界の名建築歴史図鑑』(エクスナレッジ)五十嵐太郎編が面白かったので、図書館で同じ編者のものを遡って探したところ、ありました!タイトルを見てすぐに「この本欲しい」と思いましたが、美術系の大型本は価格がそこそこしますので、まずは中身をじっくり確認してからです。

『くらべてわかる世界の美しい美術と建築』

わたしにとって、このところずっと頭にあった「彫刻(美術)と建築」を思索するのに最適の教科書でした。この内容でこの価格は、むしろお得と言えるでしょう。

美術鑑賞のトレーニングをするときも「くらべる」の技を使うことが良くあります。ひとつの絵画をじっと見るだけでなく、もう一つ別の絵画と並べて、双方のどこがどう異なるかを探すことで見えてくるもの、わかることがたくさんあります。本書のつくりはまさにその手法そのもので、面白いのはそのくらべ方の目の付け所。上の写真は目次の一部で、項目を追うだけでも編者の視点が垣間見えると思います。

嬉しいのは、取り上げている作品がすべてカラー写真で掲載されていること。ビジュアル的に直感的に楽しむことが出来ます。また章末に挟まれているコラムでは「美術館探訪」として、世界の美術館を建築的視点と所蔵作品視点で解説してあります。あちこち行きたいところだらけ。今年あたり海外出張が再開できることを願いつつ、眺めています。

『くらべてわかる世界の美しい美術と建築』

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。