津屋崎に新図書館

読書『まちづくりと図書館』(青弓社)大串夏身

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『まちづくりと図書館』(青弓社)大串夏身

図書館の在り方をまちづくりとの関連で提言する本です。図書館で見つけ借りてきましたが、これは資料として手元に置いておきたい一冊。報告書というか研究論文という感じの内容ですが、とても読みやすく、わかりやすいです。

図書館を「まちづくり」の中心に置いた取り組みを具体的に紹介しつつ、考察しています。「まちづくり三法」による政策に伴って地方自治体が事業化・計画し取り組んだ、全国各地の事例が載っています。情報源(参考書籍、サイトなど)も巻末にきちんと載っていますので、この本からさらに個別の取り組みをもっと知りたいときには、調べることも容易でしょう。

本書は「図書館」の事例ですが、要は「文化」をまちづくりの中心に据えた自治体の取り組みと考えることができます。「図書館」は「美術館博物館」に置き換えて考えることも可能。公共文化施設としての図書館がその意義を大いに発揮するための取り組み事例の数々は、これからの美術館博物館の在り方を考えるうえでも、とても参考になります。

それにしても、全国各地で図書館を中心にしたまちづくりに取り組んでいる事例がこんなにあるとは思いませんでした。個人的には、福津市の図書館協議会の一員として視察訪問したことのある「伊万里市民図書館」が取り上げられていたのが、嬉しかったです。

公共文化施設としての図書館は、一部の本好き、図書館好きのためだけにあるのではなく、広く市民に使われる場所でなければなりません。市民や市政に対して良い意味で影響力を持つ図書館を目指して、さらに頑張って欲しいな、応援していきたいな、との想いも新たになりました。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。