こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『アンジェリク 緋色の旗』(講談社)藤本ひとみ
まだまだ続きます、一人で勝手に「藤本ひとみ祭り」(笑)。『マリリン・モンローという女』、『シャネル CHANEL』、『皇妃エリザベート』、『王妃マリー・アントワネット<青春の光と影>』、『王妃マリー・アントワネット<華やかな悲劇のすべて>』に続いては、『アンジェリク』。
フランス革命の時代を「国王側」から描いたのが『マリー・アントワネット』なら、同じ革命を「国王ではないもの」の側から描いたひとつが『アンジェリク』。この国・この時代に対する著者の熱い思い入れが伝わってきます。別の視点から描かれた同時代のストーリーを続けて読むことで、点が線につながる感じとでも言いましょうか、世界史に疎いわたしも、少しは理解が深まったような気がします。
「国王ではないもの」とは、さまざまな階層の貴族であり、経済力をつけたブルジョワジーであり、労働者であり、農民であり、そのどこにも入れない者たちであり。上から目線の『マリー・アントワネット』の物語とは一転して、『アンジェリク』は地を這うような人間臭さのあふれるストーリーでした。
そのなかに秘められた「どう生きるのか」の問いが、この本の主題であったように、わたしには感じられました。主人公アンジェリクがなんども自問する「仕事がなくては食べていけない。食べていけないということは、生きていけないということだった。だが、この仕事でいいのだろうか。これを選んでいいのか。この道を歩いていって本当にいいのだろうか。」の思い。これが中心にあったと感じました。
一人で勝手に「藤本ひとみ祭り」、まだしばらく続きそうです^^