こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『アートのなかでかくれんぼ1 ルーブル美術館でさがせ!』(フレーベル館)ニコラス・ピロー作/木村泰司日本語版監修
とっても面白い絵本を見つけました。「世界的に有名な美術館蔵の作品のなかに、その美術館の人気者を紛れ込ませて探す」遊びの絵本。美術館版の「ウォーリーを探せ」と言えば伝わりやすいでしょうか。
現在3種類出ているシリーズものです。そのひとつめが、ルーブル美術館蔵のヒッポ(Hippo=カバ)を探せ!というわけで、思わず手に取りました。上の写真は、藤吉憲典の作るHippo。エジプトの遺跡から出土する副葬品(と考えられている)Hippoはロンドンの大英博物館にもありますし、キャラクターとして有名なのはニューヨークにあるメトロポリタン・ミュージアム(MET)です。
ルーブルに足を運んだのは、もう20年以上前になります。「ヒッポを探せ!」をやりながら、また行かねば!の思いも新たになりました。ヒッポ探しは比較的簡単にミッションコンプリート。
続く2作は、オルセー美術館バージョン。こちらでは「シロクマのポンポンを探せ!」になっています。オルセーには足を運べど休館中、ということが2回もあって、未だなかに入ったことがありません。日本で開催された「オルセー美術館展」には足を運んだことがありますが。
シロクマのポンポン探しは、ヒッポ探しに比べると、難易度がやや上がりました。少しづつ目が慣れていくので、焦らず取り組めば見えてきます。
実際にチャレンジしてみて(探してみて)、作品に目を凝らし端から端まで眺めるので、たしかに「見る」訓練になると思いました。が、同時に「一生懸命探す」と「絵や彫刻作品をじっくり見る」は同じではないとも思いました。美術鑑賞法のひとつとして楽しいのは間違いないので、「見る」練習としてプログラムを作るのは面白そうです。世の中のすべての美術館で、自館バージョンの「○○を探せ!」を作ったらかなり面白いことになるはずです。
作者のニコラス・ピローさんがどんな方なのか、調べることができなかったのですが、日本語版を監修した木村泰司さんは美術史家でいらして、著書を読んだことがありました。美術教育関連の本や絵本がどんどん出版される今日この頃ですが、久しぶりに純粋に面白がって読む(遊ぶ)ことができた絵本でした。