こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデント社)オードリー・タン
今年は春から「オードリー・タン読書祭り」になっておりました。1冊目『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』は本国台湾で刊行されたものの日本語訳、2冊目『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』は台湾在住の日本人ライターさんによるもの、3冊目『自由への手紙』はご本人の語り(クーリエ・ジャポンのインタビュー)によるものでした。そして本書は満を持してのオードリー・タン氏ご本人の自著です。
本人へのインタビューをもとにした本と、自著と。何が異なるかといえば、インタビューはあくまでも「インタビューする側が聞きたいこと(知りたいこと)」を中心に構成されるのに対し、自著はご本人が伝えたいこと、伝えるべきだと思っていることが前面に出ることです。だからでしょうか、これまでの3冊で出来事として知っていた内容も多かったにも関わらず、強いインパクトがありました。
以下、備忘。
- 自分の精神が健全で安定していれば、自然とスマートで礼儀正しい人間になれる。
- 「私の知識をシェアした人が、その知識を用いて私の望まないことを行わない」という信頼関係(中略)。その信頼関係をどのようにして構築するか。
- 命令などの強制力がないことが重要
- 何事も独学が可能なのだ
- みんなのことを、みんなで助け合う
- 他人から学び、考える
- すべては学習を行う本人次第
- 生涯にわたる「学習能力」
- (デジタルに関する)「スキル」ではなく「素養」
- (基本になるのが)プログラミング思考であり、デザイン思考であり、アート思考
- 科学技術では解決できない問題に対処するために美意識を養う
- 「こんな不正義が二度と起こらないために、私は社会に対して何ができるだろうか」
『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』より
これまで読んだ4冊を通して、やはり彼女が根本的に大切にしていることは終始一貫していると思いました。人物にスポットをあてた本は、ときに本人ではない第三者が書く方が、客観的で読みやすい(伝わりやすい)こともありますが、ことオードリー・タン氏に関しては、そんなことはまったく無いようです。わたしが読んだ4冊のなかで一冊だけを誰かにオススメするとしたら、この『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』になります。