読書『フローリングのお手入れ方法』(東京創元社)ウィル・ワイルズ著/赤尾秀子訳

読書『フローリングのお手入れ方法』(東京創元社)ウィル・ワイルズ著/赤尾秀子訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『フローリングのお手入れ方法』(東京創元社)ウィル・ワイルズ著/赤尾秀子訳

お掃除のノウハウ本ではありません。小説です。ジャンルは、なんなのでしょう。ブラックユーモアにあふれています。コメディとはいいがたく、ややホラーっぽい雰囲気も。悪夢的なストーリー展開で、予備知識無しで読みはじめたら、まったく予想外の着地点に辿り着いていました。

めちゃめちゃなストーリーなのですが、文章の端々になんとなくスタイリッシュな雰囲気が立ち上り、読了後に著者の略歴を見て、ああなるほどと思ったのでした。東京創元社のサイトによれば、著者は1978年インド生まれロンドン在住で、建築・デザイン関係のライターとしても有名だとか。本書は小説デビュー作だったようです。同サイトの本書紹介に「恐ろしくもおかしいカフカ的不条理世界」と書いてあり、たしかに不条理すぎる展開だったと笑いました。

ちょっと中毒性のある怖さと可笑しさの絶妙の組み合わせ。同著者の2冊目が日本語版で出ているようですので、ぜひ読みたいと思います。

『フローリングのお手入れ方法』(東京創元社)ウィル・ワイルズ著/赤尾秀子訳

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。