こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『メンタルに効く西洋美術』(マール社)宮本由紀 著
『英語でアート』以来、なにかとお世話になっているアート・アライアンスの宮本由紀先生の二冊目となる著書。常々、アート・英語・西洋美術史・リベラルアーツを説いておられる由紀先生の、美術とアーティストへの愛情とユーモアを感じる一冊です。
西洋美術史に名を遺す「アーティスト」なる生きものの、生き辛さ、人間臭さ、悲喜交交…。読みながら、決して他人ごとではなく(笑)、感情を揺さぶられました。由紀さんが本書で重視なさっているのが、プライマリーソース(一次資料)。その「元」がきちんと目に見えることが、作りものではない臨場感につながっているのかもしれません。
個人的には、老若男女問わず「悩めるアーティスト」たちに、ぜひ読んで欲しい本です。自分と重なる部分、まったく異なる部分を、西洋美術史の主役たちの生きざまに見ることができますし、そのどちらにしても「自分は自分として生きる(つくる・描く)しかないのだ!」というあたりまえの結論を、はっきりと目の前に突き付けてくれます。
本のつくりも、とっても好みでした。しっかりした紙質のページに、カラーの絵が載り、イラストによる図説も親しみやすくわかりやすく。アーティストのストーリーをメインにしていますが、実は解説を通じて、西洋美術史を見る際に役立つ知識もふんだんに載っています。
「手元においてことあるごとに開く本」がまた一冊増えました^^