『三銃士』角川文庫

読書『三銃士』(角川文庫)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『三銃士』(角川文庫)アレクサンドル・デュマ

「読んでいなかった名作を」シリーズ。今回はデュマの『三銃士』上・中・下巻合わせて約1080ページ。そういえば前回の名作はトルストイ『アンナ・カレーニナ』でした。1870年代ロシアから1600年代フランスへ。時間と空間を軽々と超えるのが読書の楽しみですね。

実はまったく三銃士のストーリーをまったく知らず、「三銃士と言いながら、四人の物語」だということを、読みはじめてから知りました。それも『ダルタニヤン物語』の一部であると。『ダルタニヤン物語』は全11巻なのですね。いずれ続きを読まねばなりません。

さて『三銃士』。読みながらまず思ったのは「この時代の世界史を頭に入れてから読むんだった!」ということでした。でも読みはじめてしまったもので、面白くてページをめくる手を止めることができず。時代背景がきちんと頭に入っている状態で読んだ方が、深読みできただろうなぁ、というのが反省点です。

ストーリーの面白さもさることながら、登場人物の個性が魅力的でした。主役の4人だけでなく、悪役側キャラクターのアクの強さも、漫画でも読んでいるような感じでした。そういえば、NHKで放送されたという、三谷幸喜氏が脚本脚色した「新・三銃士」の人形劇も相当面白かったようですね。

登場人物が魅力的だからこそ、その人物にまつわるストーリーをもっと読みたくなるし、きっと作者もその人物のストーリーを描き続けたくなるのだろうな、と感じました。スティーブンキングが著書『書くことについて』で「登場人物がストーリーを作ってくれる」ということを言っていたことを思い出しました。

ところでわたしは本を読むとき、自然とそのシーンがカラーで頭のなかで再生されています。今回は、全体として薄暗いというか、セピア色のメガネをかけて見たような色合いで再生されました。次に読むときは、この時代の絵画をしっかり目に焼き付けて、もう少し色鮮やかなシーンを見ながらストーリーを追うことにいたします。

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ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。