藤の花

読書『三頭の蝶の道』(河出書房新社)山田詠美著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『三頭の蝶の道』(河出書房新社)山田詠美著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から、表紙借り。山田詠美さんといえば『ベッドタイムアイズ』。デビュー作のときからお名前は知っていましたが、衝撃的な雰囲気の漂うタイトルに気圧されたまま、ここまでまったく読まずに来ていました。図書館で見つけた本書の表紙は、わたしが勝手に長年抱いていた「山田詠美」さんのイメージとなんだかかけ離れていて、ついつい手に取りました。上の写真は満開の藤の花。過剰なまでの華美さが、本書の「女流作家」イメージと重なりました^^

第1章2015年、第2章2007年、第3章2023年に、エピローグ。登場人物は、文学界のなかでも「女流作家」と呼ばれた時代の作家たちと、彼女らのまわりで振り回された編集者や家族たちです。文体が独特で少し読み辛く感じましたし、物語自体もスピード感があるような面白さではない。にもかかわらず、グッと引き込まれました。「女流作家」とはなんぞや、の正解がここにあるのだとしたら、読者として客観的に眺めるにはとても面白いけれど、お近づきにはなりたくないな(巻き込まれたくはないな)、という感じのエピソードが盛りだくさんで、のぞき見するような読書でした。

本書は書下ろしだそうで、それも「オーディブル」のためでもあったと巻末に書いてあったのを読んで、文体が独特であることにとっても納得しました。たしかに、少し陰気でねばっこい雰囲気を漂わせた妙齢の女性の声で読み上げられたら、たまらないだろうな、という感じです。このためだけにオーディブル使ってみるか!?と考え中(笑)。

なによりも、本書を読んで、これまで勝手に抱いていた山田詠美さんのイメージがガラッと変わりました。長年一冊も読まずに、勝手なイメージを持っちゃって、ごめんなさい!です。これを機会に、図書館で既刊本遡って読んでみようと思います。

『三頭の蝶の道』(河出書房新社)山田詠美著

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。