こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『世界で一番美しいマンダラ図鑑』(エクスナレッジ)正木晃著
お盆休みの読書用に、仕事の資料としてまとめて借りてきた中の一冊です。
やきもの(肥前磁器)の仕事をしていると、文様の存在が常に側にあり、そうした観点からもマンダラはとても興味深い存在です。やきものに描かれる伝統文様を見たり調べたりしていると、そこには仏教文化の影響や、シルクロード文化の影響が色濃く残っています。わたしは博物館学芸員資格課程を京都の佛教大学で学びました。ふだんの勉強は通信でしたが、資格取得には一週間以上の博物館現地での実習が必要であり、そのときは京都へ。そのなかでどっぷりと仏教文化のシャワーを浴びることができたのは、とても幸せなことでした。
「曼荼羅(マンダラ)」は、ただ見るだけでも、やはりとても魅力的な題材です。そんな曼荼羅の魅力をカラー写真をたっぷり使って解説しているのが、本書です。見ているだけでも楽しい一冊ですが、曼荼羅の基本的な解説がわかりやすく、各章での視点が面白く、文字通り「図鑑」的に使えそうです。なかでも「第3章立体マンダラ・都市マンダラ」の観点は、わたしにとっては新鮮でした。これは手元に置いておきたい一冊です。
かつてわたしは文様の面白さを皆さんに伝えたい一心で、『蕎麦猪口の文様小話』なる小冊子を自費出版で制作しました。今確認したら2004年に出していますので、ちょうど20年になります。本書を読んで、そろそろ改訂版を出しても良い頃かな、と思いました。
ところでエクスナレッジさんからは、「世界で一番美しい図鑑」シリーズが出ているということがわかりました。「世界で一番」と言い切ってしまう強さが素晴らしい。