読書『人はなぜ物を愛するのか』(白揚社)アーロン・アフーヴィア著/著田沢恭子 訳

読書『人はなぜ物を愛するのか』(白揚社)アーロン・アフーヴィア著/著田沢恭子 訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『人はなぜ物を愛するのか』(白揚社)アーロン・アフーヴィア著/著田沢恭子 訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。少し前に何かの書評でタイトルを見かけて、ちょっと興味をひかれたのですが、すっかり忘れていました。図書館で見つけて「そうだ、読もうと思ってたんだ」と思い出し。ありがたいです。

フルタイトルは『人はなぜ物を愛するのか 「お気に入り」を生み出す心の仕組み』で、近年の実用書あるあるの「長くてわかりやすい」やつです。原題は『The Things We Love How Our Passions Connect Us and Make Us Who We Are』ですので、そもそも原題も長いですね。

著者は、米国ミシガン大学ディアボーン校のビジネスカレッジでマーケティングの教授を勤めるアーロン・アフーヴィア氏。ですがご本人が「はじめに」で書いている通り、心理学・哲学・社会学に根差しているとわかる論考が並んでいます。そもそもご自身が、モテたいがために「愛の心理学のエキスパート」になるべく研究をしてきた、というのですから(これも「はじめに」より)。マーケティング本であり同時に心理学本であり、です。

300ページ以上、まあまあな厚さですが、どの章も面白かったです。訳者さんがあとがきで、本書を簡潔にまとめているので、どんな本なのかを早く知りたい方は、ここを先に読むとよいかもしれません。このなかに「モノを愛することで、世界とつながり、世界が広がっていく」という文章があり、本書の肝はこの一文に集約されるように思いました。「非対人的な愛がじつは私たちの自己認識や自己実現に大きくかかわる」(本書あとがきより)というのは、実感としてよくわかるものです。

ところで白揚社さんには『人はなぜ…』シリーズがあるようで、サイトで検索したらいろいろと出てきました。本屋さんで少し前に『教養としての…』がやたらと目につく時期があったなぁと思い出し。

『人はなぜ物を愛するのか』(白揚社)アーロン・アフーヴィア著/著田沢恭子 訳

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ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。