読書『人生劇場』(徳間書店)桜木紫乃著

読書『人生劇場』(徳間書店)桜木紫乃著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『人生劇場』(徳間書店)桜木紫乃著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より、久しぶりの桜木紫乃さん。前回桜木紫乃さんを読んだのは2022年のことでしたので、約3年ぶりです。今回もまた、行間からあふれてくる「凄み」に圧倒されながらの読書となりました。

徳間書店の公式サイトに、著者自身のコメントが載っていました。曰く「書きながら改めて、生きることは滑稽だと感じました。滑稽でいいと思うところまで、書けた気がします。」と。読後に公式サイトの解説を見て、本書は桜木紫乃さんが実の父親をモデルにしたものだということがわかり、思わずうなりました。「家族」の闇の壮絶さ。その壮絶さをもって「滑稽」と断じてしまう著者の目線は、いったいどこから注がれているのか、ある種自虐的なものを感じました。

そういえば前回追っかけたときは、数冊読んだものの、もろもろの受賞作はじめ「桜木紫乃といえば」な著書は、一冊も読んでいませんでした。凄みに中てられてしまうので、いっぺんに連続してたくさんは読めない感じです。だけれども、読みたくなる。明るい本の合間に、ときどき遡って少しづつ読んでいくのがよさそうです。

『人生劇場』(徳間書店)桜木紫乃著

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。