こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『図書館の外は嵐』(文藝春秋)穂村弘著
いつものカメリアステージ図書館新刊棚。中身はまったく予想がつきませんでしたが、タイトルと表紙の装丁に惹かれて迷わず手に取った一冊です。小説のようなタイトルですが、書評集。いえ、書評集という言い方も正しくないような気がします。本書の表紙にあるように「穂村博の読書日記」というのが、そのまま正解です。
図書館で借りたときは気づかなかったのですが、表紙の画は、ヒグチユウコさんでした。道理でスーッと惹かれたはずです。有無を言わせない世界観。そしてこれがまた、本書にぴったりなのです。
さて、著者の穂村弘氏は、歌人・詩人。本書内での読書記録は「×月×日」というように、日記形式で進みます。そこで紹介される本は、タイトルだけでなく、引用文も紹介されているのですが、その引用に、「ことば」への鋭い感覚があふれています。感覚的に合う合わない(あるいは好き嫌い)がはっきり分かれるかもしれません。わたしは、とても興味をそそられました。
読書日記に登場するのは、小説はもちろん、詩集、歌集、漫画と多彩です。セレクトの視点も面白い。そして繰り返しになりますが、ご本人が歌人=言葉を生業にする人であるだけに、ことば・言葉の組み合わせへの鋭い反応がとても興味深いです。本書内で紹介されているものを、ひとつづつ、読んでいきたいと思います。