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読書『家日和』(集英社文庫)奥田英朗著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『家日和』(集英社文庫)奥田英朗著

このところ立て続けに読んでいた、奥田英朗著作品。『家族のヒミツ』『我が家の問題』と読み、本書で「家族小説」三冊を読了したことになります。もっともいずれも文庫であり、刊行順とは異なる順番での読書になりましたが。

さて『家日和』。安定の面白さでした。あえて順位をつけるならば、わたし個人的には読んだ順=刊行が最近のものの方が、好みだったような気がします。それにしても、サクッと読める量で面白いお話を完結させる力量は、すごいものだなぁ、と思います。

本の面白さというのは、いろいろあると思いますが、奥田英朗著の家族小説シリーズでは、深刻な重々しさが無く、けれども毒はあって、クスッと笑えて読後は爽快、な面白さを楽しみました。読み終わって数日もしたら、それぞれのストーリーや、それらに対する感想はほとんど消えてしまうのですが、その軽やかさがまた良いのです。

すっかりはまってしまったところで、著者を紹介してくださったお友だちから、「奥田英朗をより深読みするには」と、おススメの著作リストを頂きました。

  1. 『最悪』『無理』『邪魔』
  2. 『延長戦に入りました』『泳いで帰れ』『用もないのに』
  3. 『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』『町長選挙』

3冊づつの、3ジャンル。この順番で読むと、面白みが増すとのお達し。少し休憩してから、この順番で読むことにチャレンジしようと計画中です。持つべきものは本好きの友。大量に本を読んでいる友人の存在はとてもありがたく、そういう師匠的な友人が何人も周りにいることが、とても嬉しい今日この頃です。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。