読書『新しいアートのかたち NFTアートは何を変えるか』(平凡社新書)施井泰平著

読書『新しいアートのかたち NFTアートは何を変えるか』(平凡社新書)施井泰平著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『新しいアートのかたち NFTアートは何を変えるか』(平凡社新書)施井泰平著

「NFTアート」とはなんぞや?からの、集中読書です。最初に読んだ『シリコンバレーのエンジニアはWeb3の未来に何を見るのか』が、技術に対する理解がまったく無いわたしにぴったりの良書でしたので、気分良く次の本に進むことができています。

本書『新しいアートのかたち』は、そのものずばり「NFTアート」に迫った本でした。出版年月が2022年9月ということで、1年半ほど前の本です。著者の施井泰平氏は、自らが現代アーティスト目指したという経歴からこの分野に取り組んでおられるということで、従来からのアート市場との比較で、アート関係者にわかりやすく伝えようとしてくださっていました。

わたし個人的には、特に「第2章そもそもアートとはなにか」で展開された内容が、頭の中の整理になりました。従来(あるいは現在も続いている)アートにおけるキュレーターの役割、ギャラリー、美術館、オークション会社などが果たしてきた役割と課題。これらを整理整頓することで、自分の考えに足りなかった部分が見えてきました。

そしてそこに「NFT」という技術がどのような役割を果たしうるのか、ということが第3章以降につながります。技術がどう生かされる可能性があるか、またその課題に関しては、後半に入っている3本の「特別対談」が、いくつもの疑問に答える形となっていました。対談形式での問答が読者の理解を促す、とてもうまい構成だったと思います。

アート市場の将来に起こり得る変化、すでに始まっている変化について、少しでも興味のある方は、読んでみることをお勧めいたします。

『新しいアートのかたち NFTアートは何を変えるか』(平凡社新書)施井泰平著

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。