こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『桜坂は罪をかかえる』(講談社)藤本ひとみ
いつものカメリアステージ図書館。このブログでも、何度も「カメリアステージ図書館の新刊紹介棚が秀逸!」という内容を書いていますが、もうひとつ、貸出カウンター横にある「今月の特集棚」も、わたしにとっては要チェックコーナーです。貸出の際に必ず目に入りますので、さしづめレジ横のお菓子といったところ^^
先日、テーマが「桜」に代わっていました。表紙の絵画(「髪を編む少女」アルベール・アンカー)に釣られて思わず手に取ったのが本書。藤本ひとみさんの本は、20代の頃に何冊か読んでいて、とても久しぶりでした。西洋史・西洋美術史の周辺を題材にした小説といえば「藤本ひとみ」さんが居たことを、この本を手に取るまで失念しておりました。
さて『桜坂は罪をかかえる』は、中学生が主人公のミステリー小説。わたしが20代の時に出会った本から抱き続けていた著者のイメージからは離れていて、ちょっとびっくりしたというのが正直な感想でした。調べてみたところ、講談社青い鳥文庫から小中学生向けのミステリー小説がシリーズ化されて大人気なのですね。
わたしのもっていた彼女の著作イメージは、どちらかというと「大人向けのドロドロしたもの」でしたので、拍子抜けしました(笑)が、ストーリーもテーマも人物描写も面白く、サクッと読める本でした。この小説を大人読者向けにもっと書き込んでくれたら、もっと面白くなるだろうな、と思いながら読みました。
登場人物の中学生たちのセリフや胸中の思いを読みながら、中学生の頃って、こんなにものごとを考えていたかなぁ、これは大人が書いている本だからこうなるのではないか?などと疑問も持ちつつ。自分が中学生の頃どうだったかをすっかり忘れていることに気づかされつつ。
これをきっかけに「藤本ひとみ」本をまた読んでみようと思っています。きっかけを作ってくれたカメリア図書館の特集棚に、今日も感謝です。