読書『狼の幸せ』(早川書房)パオロ・コニェッティ著/飯田亮介訳

読書『狼の幸せ』(早川書房)パオロ・コニェッティ著/飯田亮介訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『狼の幸せ』(早川書房)パオロ・コニェッティ著/飯田亮介訳

いつものカメリアステージ図書館。先日読んだ『帰れない山』(新潮社)が素晴らしかったので、著者追っかけです。本書は最新刊のようですね。早川書房さんからの出版で、訳者も変わりましたので、興味深く読みました。早川書房の公式サイトでの紹介では「山岳小説」と書いてあり、ということは『帰れない山』も山岳小説だわ!と妙に腑に落ちました。「○○小説」とジャンル名が付くと、説明しやすくなり、整頓しやすくなりますね。たまに「そんなジャンルなのか?」という感じのものもありますが。

さて『狼の幸せ』。前作同様、映画にしたらさぞかし美しいだろうな、と思える舞台でした。主要登場人物4名それぞれのストーリーも面白く。巻末の訳者あとがきで、著者が「ずっと書きたかった恋愛小説に本書で挑戦した」とあり、恋愛小説だったのだとわかりましたが、恋愛以外の要素のほうが、わたしには面白かったです。恋愛の要素を入れなくても、じゅうぶんに読み応えのあるストーリーだったんじゃないかな、と。そうそう、最初に気になった「訳者が変わった」件は、まったく気になりませんでした。

というわけで、『帰れない山』ほどの切なさやインパクトはありませんでしたが、読んだあとに、自分では見たことのない山々の景色を思い浮かべて、その美しさに酔うことのできる本でした。パオロ・コニェッティ氏、今後の作品も楽しみにしたいと思います。

『狼の幸せ』(早川書房)パオロ・コニェッティ著/飯田亮介訳

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯(はなまつりがま)の内儀(おかみ)であり、Meet Me at Artを主宰するアートエデュケーターでもある、ふじゆり のブログです。