こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『皇妃エリザベート』(講談社)藤本ひとみ
引き続き、一人で勝手に「藤本ひとみ祭り」開催中。『マリリン・モンローという女』、『シャネル CHANEL』に続いては、時代をさかのぼり『皇妃エリザベート』です。
「エリザベート」といえばミュージカル。宝塚版と東宝版がありますが、どちらも観たことがありません(涙)。福岡には博多座があり、東宝版が来るので恵まれています。が、2016年博多座チケットを撮り損ね、2020年リベンジ!と思っていたら全公演中止となり、現在に至っています。
結果として藤本ひとみさん著の小説を先に読むことになり、時代背景の予習をすることができました。本書中に描かれるエリザベートの劇的な人生は、時代や境遇(出自)に翻弄されたというばかりではなく、彼女の性格がそうさせた側面が強調されていました。登場人物の魅力と、激動の時代背景。映像化への要素が詰まっていますね。
それにしても、藤本ひとみさんが作中に描く女性は、ただ強い、ただ美しい、というのではありません。自分を抑圧するものに抗う姿は、人間的で生々しく切なく、ジタバタもがいています。歴史小説にありがちな「別の世界のお話」な感じがしないのは、登場人物が実在していたからだけではなく、その描き方によるものだと思います。だからこそ時代も立場も異なる読者を惹きつけるのだろうな、と。
ミュージカル「エリザベート」を、ますます観たくなってきました。2020年中止した分が、あらためて博多座に来てくれるといいな、と願いつつ。