こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『総理の夫』(実業之日本社)原田マハ著
久しぶりの、原田マハさん。ブログをさかのぼってみると、2017年頃から「原田マハさんの追っかけ読書」をしています。『キネマの神様』『楽園のカンヴァス』からはじまり、彼女が書いた著書は、エッセイ以外たいがい読んだつもりでおりましたが、抜けているようです。これもその一冊。
田中圭さんと中谷美紀さんで映画化されています。映画を観に行った息子が「面白かったから」と買って持っていた文庫本を借りました。息子曰く「本の方が断然面白い!」。上の写真は、主人公が鳥類学者ということで、鳥。
主人公『総理の夫』の日記形式でのストーリー展開は、心の声ならではの面白さがあり、テンポよく進みます。総理大臣を描くとあって、いろいろとリサーチもたいへんだっただろうな、と思えました。わたしたちがふだん窺い知ることのできない政治家の生態の、細かい描写の面白さ。「スピーチライター」を主役にしたマハさんの著書、『本日は、お日柄も良く』(徳間文庫)を思い出させました。
文庫ですが、446ページと分厚いです。が、軽妙な口語体にのせられ、さらに「日本初の最年少・女性総理誕生」への野次馬的な興味も重なり、サクサクと読みました。主人公が「今これを読んでいるあなた!」と呼びかけ、読み手を登場人物として巻き込むスタイルが奏功しています。ストーリーを覗き見しているような読み手としての立ち位置が、絶妙でした。
久しぶりの原田マハさんの小説、やっぱり面白かったです。読みおとしがまだあるかもしれませんので、ちょっと調べ直してみようと思います。