こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『言語化するための小説思考』(講談社)小川哲著
いつものカメリアステージ図書館新刊棚から、完全にタイトル借りです。小川哲さんの著書は、これが初読み。直木賞受賞の小説家の著書を、入り口が実用書(エッセイとは少し違うと思うので、たぶんジャンルとしては実用書)になるというのは、読み手としても「しまった!」なのですが、本との出会いもタイミングがありますから、わたしにとっては今がそのタイミングだったということで。
さて『言語化するための小説思考』、上の写真はその表紙なのですが、内容は表紙に連なっている1~12の章立ての通りです。「文章を書く」ことが好きな人には、興味深い内容だと思います。著者の頭のなかを覗き見るような感覚で、じわじわと読み進めました。ときどき現れる、読み手が試されているような文章も面白く。
講談社公式サイトの紹介ページで、冒頭から『その文章、「自分のため」に書いていませんか?』続いて『「伝える」ではない、「伝わる」言葉を、文章を生み出すために、小説家はいつも何を考えているのかーー?』と投げかけられているのですが、まさにそんな本でした。常々「自分のために書いている」「一番の読者は自分」と公言しているわたし。もちろん目的も立場も異なりますが、それでも公開している以上、読んでくださる方がいらっしゃるのだということを、考えさせられました。
本書を通して著者に対する興味が沸いたのはもちろんのこと。「読みたい本」「読みたい作家」の読書リストがまた増えました。
