津屋崎浜より

読書『護られなかった者たちへ』(NHK出版)中山七里著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『護られなかった者たちへ』(NHK出版)中山七里著

お友だちが「今、ハマっている作家さん」として、中山七里さんのお名前を挙げていたので、気になりました。読んだことがありませんでしたので、さっそくいつものカメリアステージ図書館で蔵書検索。著者名で検索をかけたところ、出てくる出てくる、たくさんの著作タイトルが上がってきました。図書館活用の第一歩は、検索・予約・リファレンスですね。

「こんなにたくさん本を出している人気作家さんなのね!」と、驚きつつ、自分が読んでいる範囲の狭さ=まだまだ読むべき本がたくさんあることに喜びつつ、少々まとめて借りて参りました。

さて『護られなかった者たちへ』。ミステリーの形ではあるものの、その謎解き以上に、背景にある現代日本のひとつの問題点を考えさせられる物語でした。こういうのを社会派ミステリーというのでしょうか、NHK出版のサイトでは「日本の社会福祉制度の限界に挑んだ問題作!」と紹介してありました。物語中盤辺りから、事件の動機につながるものがだんだんと明らかになってくるのですが、明らかになるにつれて腹が立ち、非常に考えさせられました。

犯人が最後にSNSに残している叫びが、響きます。フィクションの形を借りた切実な訴え。読了後、この本をいったい誰に読ませたらよいのか、読ませるべきなのかと考えている自分がいました。

後日、何気なく息子の本棚に目を向けたところ、中山七里著の文庫がいくつか並んでいました。身近に読者がいたとは気づかず(笑)。『護られなかった者たちへ』は、阿部寛と佐藤健で映画化もされていたのですね。タイトルに何となく見覚えがあるような気がしたのは、そういうことだったかと思いつつ。これは、見ねばなりません。

『護られなかった者たちへ』(NHK出版)中山七里著

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。