こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『起業の天才!江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』(東洋経済新報社)大西康之 著
リクルート創業者・江副さんやリクルート社について書かれた本は、江副さんの自伝を含めたくさん出ています。社内(グループ内)向けに書かれたものを含め、四半世紀以上前の在職中から何冊も読んできました。にもかかわらず、新たに出るとまた読みたくなり…久しぶりにじっくり振り返りとなりました。上の写真は、カモメ。
わたしは残念ながら江副さんご本人に直接お会いしたことはありませんでしたが、それでもリクルートへの執着、その生みの親である江副さんへの関心があることは否定できません。その理由が、江副さんという創業者に対する熱狂ではなく、リクルートの仕組み(社風・考え方)に対する共感であることが、本書読後にあらためてわかりました。
以下、個人的備忘。
- ファクトとロジック
- 仕組み
- 江副浩正というカリスマではなく、江副さんが構築した思想体系を信奉していた
- 日本株式会社の人事部
- モチベーション経営のもととなる「心理学」の大沢
- 自分より秀でた人間をまわりに置くことで、自分のやりたいことを実現していく
- ヒア・アンド・ナウ
- 創り出す
- ピーター・ドラッカー『現代の経営』
- 二本の草を育てる者
- データ・イズ・マネー
- 社会への貢献・個人の尊重・商業的合理性の追求
- 自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ
- 窮すれば変じ、変ずれば通じ、通ずれば久し(易経)
- 君はどうしたいの?
- カリスマの「リーダーシップ」に置き代われるもの(中略)社員の「モチベーション」
- じゃあそれ君がやってよ
- ハーズバーグの動機付け要因
- 大沢武志『心理学的経営 個をあるがままに生かす』
- PC(プロフィットセンター)制度
- 垂れ幕文化
- RING(リクルート・イノベーション・グループ)
- GIB(ゴール・イン・ボーナス)
- 情報の共有
- 分からないことはお客様に聞け
- バッド・ニュースほど早く
- 情報の民主化
- 「地方、貧乏、野望」とSPI
- 企業人より起業人
- ゼロ・トゥ・ワン
- 自分の仕事は自分で作れ
- 目標が定まると、知恵と行動力が湧いてくる
- リクルートマンシップ
- 暁の駱駝プロジェクト
- マッチング
- 言い出しっぺ
- 圧倒的な当事者意識
- 革新的なビジネス・モデルと、心理学に根差した卓越したマネジメント理論
『起業の天才!江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』(東洋経済新報社)大西康之より
リクルート文化として一番わたしのなかに残っているのは、「君はどうしたいの?」と「最近どう?」です。「最近どう?」は、そのままの言葉では本書内に出てきませんでしたが、「情報の共有」に置き換えられるでしょうか。それも、単なる情報交換というようなものではなく、とても温かみのあるものであったことを言い添えておかねばなりません。しょっちゅう交わされる「最近どう?」の短い簡単な投げかけが、とても大切なものであったことは、リクルートに在籍した経験のある人なら心あたると思います。
「そうそう、そうだった!」ということももちろん少なくありませんでしたが、まったく知らなかったこと、気づかされたことがそれ以上に多く、読んでよかったと思いました。特に、創業期メンバーの一人であり、わたしにとって経営思想の師であるHRR創始者・大沢さんの、江副さんとの関係性を客観的な文章で垣間見ることができたのは、大きかったです。