こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『Dark Horse 好きなことだけで生きる人が成功する時代』(三笠書房)トッド・ローズ、オギ・オーガス
大浦千鶴子訳、伊藤羊一解説、と表紙に続きます。そしてタイトルの前には「ハーバードの研究チームが実証!」と。文字数の多い表紙です(笑)
わたしの本購入のパターンは大きく3パターンあります。その1、本屋さんで出会って即買い。その2、図書館で出会って本屋さんで購入。その3、メールマガジン「ビジネスブックマラソン(以下、BBM)」のおススメで購入。
本書『Dark Horse』は、その3。出版コンサルタント土井英司氏のメルマガBBMでの書評に『いわゆる王道キャリアではなく、「期待薄」のところから大成功を収めた人(ダークホース)がどうやって成功したのか、その共通法則を導き出した、画期的キャリア論』とあるのを読み、思わず購入しました。
それぞれの事例が興味深く、あっという間に読了。面白かったですが、この話ならよく知っているかも、という読後感でした。というのも、「ダークホース事例のひとつが最も身近にいる」からです。家や親せきに陶芸や芸術関係者が無く、芸術系大学も出ておらず、なんの後ろ盾もないところから出発して磁器作家・彫刻家を生業としているダンナは、まさにDark Horseでしょう。「好きなことだけで生きる」は、まさにその通りです。そして「成功」しているかどうか?という点においては、本書で成功の指標に位置づけられる「充足感」を基準にしたとき、大きく「Yes」と答えることができます。
本書では、これらDark Horseをそれぞれ事例として調査しただけでなく、実は誰もが個性を持ったDark Horseであり、それぞれの個性を尊重し育てていこうという動きが北米でははじまっていること、そうした動きを日本にも世界にも広げることができる(そうしなければならない!)であろうという希望を見ることができました。そこが単なる事例紹介本ではなく「ハーバードの研究チームが実証!」という部分なのだと思います。社会に広げての考察こそ、わたしにとっては本書を読んでの大きな収穫でした。
「個人の充足感の追求」が社会へ好循環を生む、という本書の希望的な結論は、とても腑に落ちるものでした。誰もがそうできる(自分自身の充足感を追及して生きることができる)社会になるならば、「生きづらさ」なんていう言葉もなくなるのかもしれません。