藤吉憲典画 馬

象形文字の楽しさが、ジワジワ来ている今日この頃。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

象形文字の楽しさが、ジワジワ来ている今日この頃。

作品発表が本格スタートした、藤吉憲典の「書画作品」。このところ肩書も「Ceramicist(陶芸家) / Porcelain Sculptor(磁器彫刻家) / Ink Drawing Artist(書画家)」となっています。まとめて「Artist」としても良いのかもしれませんが、長々としても「何をしている人か」わかりやすい方が良いかな、というのが今のところの考えです。書画家の訳は、当初「Ink Painting Artist」としていたのですが、paint は「塗る」がメインであり、むしろ「描く」を強調するdrawの方が良いのではないかというアドバイスがあり、変更しています。

さてそんなわけで、藤吉憲典の公式サイトにも書画作品を掲載せねばと、現在プチリニューアル作業に入っているところです。作家のサイトは日英両言語で制作していますので、あらためて、作品タイトルを含め「英語でどう紹介するか」を考える機会になります。例えば、書画作品の「馬」。

藤吉憲典画 馬

Horse pictograph(藤吉憲典作)

漢字の「馬」を崩して、馬の画に描き直しているものです。日本人の目には、詳しい説明をしなくても「なるほど!」と理解してもらいやすいと思います。作品タイトルを作りながら、海外の方にもわかりやすいように、と辿り着いたのが「象形文字」であることを、タイトルに含めること。最初「hieroglyph」と思ったのですが、これは古代エジプトの象形文字を指し、文字に神秘的・呪術的な意味や力を持つとされていることが判明。日本語や中国語の漢字の象形文字は「pictograph/pictogram」と訳する方が、ニュアンス的に近いようです。ピクトグラフ(またはピクトグラム)すなわち「絵文字」。そういえば、ピクトグラムは先般のオリンピックで話題になりましたね。

絵から漢字になったものを、また画としてデザインし直す。この「馬」をはじめ「兎」「象」「鳥」など、象形文字シリーズが生まれています。書道を習得していく際に、さまざまな書体を学んできた藤吉憲典らしい作品群だと言えるでしょう。「Animal Boxes」として愛されている陶箱シリーズと同様、動物や自然界のものが題材になる象形文字シリーズを、どうぞお楽しみに!

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ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。