資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリー@銀座

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

資生堂ギャラリー@銀座

大型連休のど真ん中、東京出張に行って参りました。

銀座で個展のたびに何度もその前を通るものの、なかに入る時間をとれずにいた資生堂ギャラリーに久しぶりに行って参りました。福原義春氏の著書『美 「見えないものをみる」ということ』(PHP新書)を読んで以来、わたしにとってなんとなく特別な場所になっています。

開催中だったのは、荒木悠展:LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ。現代日本のアーティスト情報に疎いワタクシ、そのうえ「資生堂ギャラリーに行く」を目的に中に入ったのもので、作家さんについても作品についてもまったく前情報無しでした。

これまで現代アートのインスタレーション作品と呼ばれるものに心を動かされることは少なかったので、最初は「とりあえず」ぐらいの気持ちで拝見していたのですが…

ものすごく面白かったです!!

わたしが夢中になったのは、メインとなる映像作品ではありませんでした。戯曲ならぬ「戯訳シリーズ」と呼べばよいのでしょうか、映像作品の戯訳「聖なる都・京都」、戯訳「日光霊山」、戯訳「江戸」の三作品が、最高に面白かったです。そもそも「戯訳」って!と思わずニヤリ。椅子に腰かけ、三作品にガッツリ向き合って拝見しました。

社会批判的目線を持ちつつユーモアたっぷり。こういう現代アートは大好きです。2年前にロンドンのサーチギャラリーで見た作品を思い出しました。すなわち、 過剰な難解さ(=作家の自己満足)が一切無くて説明が要らず、観る人を楽しませようというサービス精神あふれる作品。それでいて、きちんと問題提起や社会批判も行っているもの。

ほんとうはこちらにも行きたかった資生堂パーラーは、その行列を見て今回は断念(笑) 荒木悠展:LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲは、6月23日(日)まで資生堂ギャラリーにて開催中です。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。