花祭窯 時計

10年越しの振り子時計復活。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

10年越しの振り子時計復活。

花祭窯の工房&ギャラリーにお越しくださったことのある方は、見覚えがあるかもしれません。ここ津屋崎に工房を移転してきた時に、ご近所のおじさんが「これはここにあるべきだろう」と運んできてくださったのが、この時計でした。まさに「大きなのっぽの古時計」です。現在の住宅事情では、なかなか設置が難しいサイズです。聞けば、小学校にあったものが廃校になって行き場を失い、捨てられてしまうには惜しいと、おじさんが引き取って倉庫にしまっていたとのこと。

そうして花祭窯にやってきてくれたものの、動きません。ねじを巻いてみたところ少し動きましたが、すぐに止まってしまいました。どうやら機械部分の修理が必要となり。修理できるところが無いかと、人に聞いてみたり、ネットで探してみたりしたものの、なかなか近所に見つけることができませんでした。とにかく大きいので持ち運ぶことが出来ず、それが魅力でありながら、修理となるとネックとなるもどかしさ。そのままお飾り状態で(それだけでも迫力があって魅力的ではありましたが)、わたしたちも半ばあきらめかけておりました。

話が動き出したのは、ほんのひと月前。ご近所の着物リサイクル&レンタルの時代屋さんにおじゃましたときに、壁にかかっている可愛い振り子時計が目につきました。「うちにも大きいのがあるのだけど、動かないのよねー」と言うと、なんと修理できる人を知っていると。とんとん拍子に話が進み、時計修理のプロフェッショナルの手を経て、とうとう再始動となりました。設置後、ボーンボーンとなる音に、思わず拍手。機嫌よく動き続ける状態をキープするには、しばらくは微調整が必要なようですが、それもまた楽しみです。

花祭窯 時計

10年以上動かすことができなかったものが、動き始める。なかなかに感慨深いものがあります。この10年動かないながらも、この時計はずっと花祭窯の事業もわたしたち家族も、見守ってきてくれたのだと思っています。この先、どのように動き出すものか、なんだかワクワクしています。花祭窯にお越しの機会には、ぜひご覧くださいね♪

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。