読書『ある男』(文藝春秋)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『ある男』平野啓一郎著(文藝春秋)

『マチネの終わりに』から約2年ぶりだったそうですね。平野啓一郎ファンには待ちかねた1冊だったようです。

戸籍を交換して別の人間の過去を引き継ぎ、その人間として生きる。小説ではありますが、自分の身近にそういう人がいたとしても不思議では無く、漠然とリアリティを感じながら読みました。

「別人として生きる」ある男の決断の背景にあるもの。そしてその背景を明らかにしないでいられない主人公の執着。すべてが少しづつ過剰ではありながら、誰にでもイメージできる程度のさざ波が立っているようなストーリーでした。

「文体」の妙があり、それが魅力でありながら、作品によっては、読み進めるのに時間のかかる平野作品。ちなみにわたしはデビュー作をいまだ読み終われずにおります(笑)が、この『ある男』は一気に読み終わりました。