こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
映画『エリザベス 女王陛下の微笑み』を観てきました。
2022年の決意のひとつ「月に1本は映画を観る!」。5月はうっかり映画館に行き損ねてしまいました。その分6月中に2本観ようと思いながらも、すでに後半。まずは絶対に見ておきたい、エリザベス女王の映画に行って参りました。上の写真は3年前に観た展覧会「英国ロイヤルスタイル」のもの。
英国ではこの6月に、女王在位70年を祝うプラチナ・ジュビリーの一連の行事が行われていました。この映画もそのお祝いに合わせての公開でしょう。1930年代から2020年代までのアーカイブ映像を、様々な視点でつなぎ直したドキュメンタリー。これだけの映像や音声が残っていることがすごいなぁと、まずはそこから感嘆。
現代史を生きてきた女王の姿に圧倒されました。編集意図があるのは重々承知のうえでも、「記録映像」そのものの持つ力、被写体となっているエリザベス女王の存在感。とにかくすごい人だなぁ、と。語彙が貧弱ですが、ほかに適当な言葉が見つかりません。歴代首相が女王と定例で意見交換をする習慣がずっと続いていて、それが単なるご挨拶の時間ではないことが、映像やインタビューから伝わってきました。チャーチル首相からはじまっているのですから、政治家にとっても、女王はまさしく国のかじ取りの生き字引的存在。単なるシンボルではない王冠の重さを垣間見ました。
また「開かれた王室」の在り方を、あらためて見せつけられました。あくまでも映像のイメージではありますが、国民との関係性も、政治とのかかわり方も、日本の皇室とは全く異なるように感じました。ひとことで言うと、近い。市民へのインタビューで「お母さんのような存在」というのが、文字通りの印象で伝わってきました。だからこそ、王室に対して愛情いっぱいに親しみを込める一方、間違っていることをしていると感じると、遠慮なく怒る。
エリザベス女王のアーカイブでは、プラチナ・ジュビリーに合わせてBBCが特集した「写真で見る」記事も、見ごたえがあります。日本語になっているので、ご興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね。