九州EC勉強会『早和果樹園みかんの6次産業「つくる、育てる、そして発信する」』に参加してまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

九州EC勉強会『早和果樹園みかんの6次産業「つくる、育てる、そして発信する」』に参加してまいりました。

九州EC=九州ECミーティングは、経営者・ECに取り組む方々が幹事となり、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会です。2005年1月に「九州でも東京並みの情報が得られる場」を目的に結成され、現在も完全ボランティアで続いている、稀有な勉強会組織です。

2022年度3回目の九州EC勉強会は、農業の6次産業化事例。とのタイトルでしたが、実際にお話を伺うと、6次産業化はその途上の通過点に過ぎず、事業が今後さらに多角的に広がっていくことをイメージさせるものでした。講師は、早和果樹園の代表取締役・秋竹俊伸氏と、同社EC事業課長の青山航大氏。

九州ECの勉強会に参加するといつも感じることですが、今勢いのある経営者の方の話を聞くと、その会社の業種や事業形態やスタンス(理念)を通して、現在の日本・世界の状況が見えてきます。「今日から使える具体的な改善策」を学ぶのももちろん嬉しいですが、より大きな視点で世の中の状況が見えてくるお話を伺うのも、勉強会の醍醐味。そういう意味でも、第一部では経営のお話を伺い、第二部ではEC事業の実践的なお話を伺うことが出来た今回の勉強会は、両方の視点から学べるありがたい機会でした。

以下、備忘。


  • 果樹農家は規模拡大が難しく、栽培不振の影響は避けられず、法人化率も低い→農産加工からスタート、6次産業化による規模拡大、強い組織づくりのための法人化。
  • 現在売り上げの80%が加工品。
  • 自前=高収益。
  • 国際認証の取得→ヨーロッパへフリーパスで出せる=品質の証。
  • 大切な「みかん」を無駄にしない=みかん農家だからこそできること、大手じゃないからこそできること。
  • BtoB、BtoCともに自社主導の販路開拓。
  • 継続的なファンづくり(年1回のイベント)=地域貢献にもつながっている。
  • 拡大するには「必ず」外部の協力を求める(必要)。
  • 拡大か?自己完結型の6次化か?
  • 小さくも模倣困難性の高いビジネスモデル。
  • 売上を伸ばすには、まず人を採用。
  • ホワイトな就職先としての農家。
  • 独立自営の農家ではなく、「農家に就職する」が一般的になることの意味。
  • 日本国内における農業法人の割合と、農産物生産の割合→食料自給率向上への光。
  • MQ会計。(参『中小企業は「原価計算」で損をしている』(日経BP)古田圡 満氏)。
  • (独立自営の農家としてではなく)「農家に就職する」が一般的になることの意味・効用。

九州EC勉強会『早和果樹園みかんの6次産業「つくる、育てる、そして発信する」』より


日本の農業と食糧自給について、深く考えさせられる内容でもありました。そして、そこに一縷の光があることを確信出来たお話でした。花祭窯の創業地・佐賀花祭も、みかん栽培農家さんが何件かいらっしゃいましたが、どこも後継ぎが無く、年々耕作放棄の農地(果樹園)が増えて行くのを目の当たりにしていました。今回のお話で、方法はあるし、そこに携わろうとしている若い人も居ることがわかり、大きな希望を感じました。受け皿となる早和果樹園さんのような会社が、全国にたくさん生まれることを切に願う勉強会でした。