映画『ラーゲリより愛をこめて』を観てきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

映画『ラーゲリより愛をこめて』を観てきました。

年末に2023年の映画ベスト3を出しておりましたが、2024年も引き続き「だいたい月に1本ペース」の映画鑑賞を目指して参ります^^

その1本目となったのは、いつものカメリアステージ図書館が主催する映画上映会。これまでにもたまに開催されていたのは知っていましたが、古い邦画やアニメーションが多かったこと、タイミングが合わなかったことなどで、足を運んだことがありませんでした。会場は、図書館に隣接する「カメリアホール」。500席以上を有する立派なコンサートホールです。スクリーンの位置が舞台の後方に設置されるため、どうしてもちょっと遠くなってしまう感じは否めませんが、図書館の隣ですから、花祭窯から徒歩圏内。こんなに近所で映画を観ることができるとは、ありがたいことです。

『ラーゲリより愛をこめて』は、つい最近、2022年の映画でした。邦画好きの我が家の息子が公開後すぐに観に行っており、「号泣ものだよ」と称した一本です。わたしは気になりつつも観ていませんでしたので、思いがけず嬉しい機会となりました。

第二次大戦終戦後のシベリア抑留の物語。原作は辺見じゅん著『収容所から来た遺書』で、事実をもとに描かれた物語だということです。主人公・山本幡男を演じた二宮和也くんはもちろん、俳優さん一人一人の存在感が胸に迫ってくる映画でした。シーンのタイミングごとに「194○年 戦後○年」のテロップが現れ、そのたびに、戦争が終わって何年経っても何も終わっていなかった現実が重くのしかかってきました。どうしてそんなことが許されたのか、敗戦国には何の権利も残されていなかったのだろうと、腹立たしさと無力感を感じながらの鑑賞でした。ラストの方で、北川景子扮する山本の奥さんが手にした新聞に、かの有名な「もはや戦後ではない」の文字が躍っているシーンでは、当時このセリフをはらわたが煮えくり返る思いで聞いていた(読んでいた)人たちの存在を思わずにいられませんでした。それにしても二宮くんの、静かななかにも凄みのある演技が、すごかったです。渡辺謙と共演した『硫黄島からの手紙』のときも感じましたが、圧巻でした。

さて上映会の出口では、原作本を置いて図書館スタッフさんが貸し出し予約の受付を声掛けしていらっしゃいました。本と映画。「本→映画」もあれば「映画→ノベライズ」もありますから、図書館主催の映画上映会というのは、理に適っているのです。これからもどんどん、このようなイベントをしてくれたらいいな、と思いつつ。わたしはまだ原作を読んでいませんでしたので、貸し出し予約を入れておこうと思います。