ひとつのお点前にかかる時間…茶道は身体的なトレーニングでもあると再認識。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ひとつのお点前にかかる時間…茶道は身体的なトレーニングでもあると再認識。

昨日はお茶のお稽古でした。少し前にもブログを上げましたが、「天目」のお点前をお稽古しています。「お濃茶差し上げます」の最初のご挨拶からはじまり、お点前が終わった後の「どうぞごゆるりと」の挨拶まで、ふと気づけば、けっこう時間が経っています。

わたしが入門している茶道南方流のお稽古では、各自の進み具合でそれぞれのお点前をするのを先生が見てくださるのですが、昨日は三人続けて「天目」のお点前をしました。最初の一人のお稽古がはじまってから、三人目のお稽古が終わるまでの時間を見てみたら、3時間を超えていました。間に準備の時間が少々入りますが、それを差し引いても、ひと通り天目のお点前をすると約一時間かかることが判明。お稽古中は、不思議なくらい時間はまったく気にならないのですが、あらためて一時間かかっているのだと思うと、けっこうな長さですね。

お点前の間の正座での姿勢維持や、立ったり座ったりの所作を考えると、ある程度の筋力が必要なのだと、今更ながらに感じました。実際、ジムに通っておられたり、ご自宅でスクワットなどの筋力トレーニングを毎日しておられたり、という先生方も少なくありません。日々所作を繰り返すなかで、そこに必要な筋力がついていくというのが理想なのかもしれませんが、現実的に、プラスアルファのトレーニングをしていた方が、年齢を重ねた後も、美しい立ち居振る舞いが出来るような気もします。膝や足首などの関節にかかる負担が少なくありませんので、その負担を軽減するためにも、関節周りに適度な筋肉をつけるのは、理にかなったことかな、と思ったり。

そういえば懐石茶会では、お炭手前からお料理、濃茶薄茶と、四時間にわたる席になります。亭主を務める人はもちろん、招かれる客としても、その四時間の集中を保つには、精神的なものだけでなく、身体的な力も必要だというのは、実際の体験からそう思います。終わったら、満足感とともに、身体はクタクタになりますので(笑)。わたし自身は今はまだ「お茶のために筋トレをはじめよう!」という心境にまでは至っていませんが、必要性を感じる機会がこれから先増えてくるであろうことは、イメージできます。

お茶から筋トレへ。思考や発想がいろいろなことにつながっていくのもまた面白く。前回までのお稽古では、「袱紗捌き(ふくささばき)」が何度も何度も繰り返されるのよね、と先生方と話をしていました。袱紗捌きのあとに来るのは、「祓い清める」所作で、そういえばつい最近「祓え・清め」の話題から、掃除へと意識がつながっていました。お茶会などは非日常(ハレ)に位置づけられるものですが、お稽古のなかでは日々の生活(ケ)につながるいろいろなことへと発想が広がる面白さ。これも茶道の醍醐味なのだろうと思います。