アートの新しいプラットフォームArtStickerにKensuke Fujiyoshが参加。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アートの新しいプラットフォームArtStickerにKensuke Fujiyoshが参加。

山口周氏の『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?』を読んだのは2017年、刊行されたその年でした。「アート(美術・芸術)とビジネス」の動きが日本国内でも加速し出したのは、このころからだろうと思います。もう7年も経つのですね。

特にそうした動きをけん引した(している)のは、従来からのアート業界関係者というよりは、IT技術の有用性を理解し、それらを駆使して「つなげる」ことを得意とする若い世代の方々だと感じます。あちらこちらにアート系のプラットフォームが立ち上がってきているようなので、今どんなサービスが存在するのか、知らないことが多く情報に追いつけないというのが正直なところですが、運良くわたし自身のアンテナに引っかかったときにはチェックするようにしています。

アート・コミュニケーション・プラットフォーム ArtStickerの存在を知ったのは、つい先日。運営しているのは、株式会社The Chain Museum。2018年7月設立で、翌2019年2月に「アーティスト支援アプリArtSticker」として、iOSのβ版公開との記事を見つけましたので、すでにリリースから5年ほど経っているということですね。タイトルに「アートの新しいプラットフォーム」と書きましたが、わたしたちにとって新しい、というところです。

Artsticker : Kensuke Fujiyoshi のページ

現在のところ、まだ1点の作品掲載のみですが、1点づつゆっくり増やして参ります。藤吉憲典のアート作品はこれまで新作のほとんどがロンドンのSladmoreに送られ、そこでSoldとなっていましたので、国内でご覧いただいたり、ご購入いただいたりの機会がとても少なかったのですが、Artstickerを通じて一人でも多くの方の目にとまると良いなと思っています。

藤吉憲典の制作の様子は、Kensuke Fujiyoshi 公式Vimeoでご覧になれます。

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藤吉憲典の制作の様子は、Kensuke Fujiyoshi 公式Vimeoでご覧になれます。

初めて動画サイトVimeoを使ったのは2017年のこと。当時、特に国内では、動画サイト=YouTubeという認識が強かったので、Vimeoの存在は嬉しい驚きでした。

そもそもは、ロンドンの取引先ギャラリーSladmoreが使っている動画サイトを教えてもらったのがきっかけでした。アート系・デザイン系の利用者が多く、その特徴は、画像が美しいことと、なんといっても広告が入らないこと。これがYouTubeとの大きな違いです。アップロード容量に制限のある無料プランから、サービス内容の充実した有料サービスまで、すべての動画再生で広告が入りません。

久しぶりに動画をアップしました。これで6本目です。使いはじめてから7年ほど経っていると思うと、超スローペースですね。アップロード容量に制限がありますし、そもそも動画をバンバンとることをしておりませんので、このようなペースですが、ぜひ皆さんにご覧いただきたい良い動画が出来たら、Vimeoで紹介して参ります。

Kensuke Fujiyoshi公式Vimeo  https://vimeo.com/kensukefujiyoshi

ちなみに現在、Sladmoreで紹介されている藤吉の紹介ページにも、ロンドン個展の際に撮った動画がvimeoの埋め込みで公開されています。よかったらこちらもご笑覧くださいませ^^

読書『いちばんの願い』(新潮社)トーン・テレヘン著/長山さき訳

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読書『いちばんの願い』(新潮社)トーン・テレヘン著/長山さき訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から、既視感のある本を無意識に手に取っておりました。既視感があるはず、過去に同著者の「動物もの」を読んでおりました。著者のトーン・テレヘンさんはオランダ・アムステルダムで開業医をしつつ、ご自身のお子さん向けに、動物を主人公とする本を50冊以上発表してきた作家さん。

『キリギリスのしあわせ』を読んだ時に感じた、翻訳された日本語の絶妙な「いい感じ」は今回の『いちばんの願い』でも健在で、翻訳者である長山さきさんにありがとうを言いたくなりました。

上の写真は「目次」。目次がそのまま、本書に登場する動物たちの顔ぶれとなっています。その数63。それそれの持つ「いちばんの願い」は、当人にとってはそれぞれにちょっぴり(あるいはとても)切実で、やさしい言葉で書いてあるものの、読み手にはそれぞれにちょっぴり(あるいはとっても)考えさせられるものでした。

それ(考えさせられる)は著者が特に意図したものではないと思います。けれども何十年も生きてきた今読めば、それぞれのストーリーに比喩的に重なる(勝手に重ねてしまう)ものがあり。だからこそ、大人が読んで心に響く本になっているのだと思います。

装丁のイラストレーションはDaisuke Soshiki氏で、トーン・テレヘン著では本屋大賞を取った『ハリネズミの願い』からずっと続いています。やわらかい雰囲気の画が本の内容とピタッときていて、最初に思わず手が伸びたのは、この表紙に惹かれたから、というのも大きいです。

『いちばんの願い』(新潮社)トーン・テレヘン著/長山さき訳

読書『サロメの断頭台』(講談社)夕木春央著

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読書『サロメの断頭台』(講談社)夕木春央著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚で発見。こちらも初めましての著者さんです。書評サイトをのぞくと、どうやらコアなファンがぎっしりついていらっしゃる人気作家さんであられるご様子。こんなふうに、まだ読んだことのない作家さんがいくらでもいらっしゃるのだと思うと、読書時間がいくらあっても足りませんね。「サロメ」の文字におどろおどろしいイメージが浮かびましたが、そのイメージの上を行く、重い読みごたえのある一冊でした。

主人公である画家が描いた絵の盗作品の存在が見つかったことに端を発し、贋作ビジネスの発覚、連続殺人事件と次々に不穏な出来事が立ち現れます。ストーリーの中には、時代背景の説明めいた文章は見当たりませんでしたが、明治から大正あたりだろうと違和感なく理解しながら読めたところが、著者の力だなぁと思いました。時代設定は大正時代だったようですが、わたしには、鹿鳴館から大正ロマンといったイメージが、読みながら自然と浮かんできました。

最後の方で主人公が犯人たちに投げかける「君たちはきっと、(中略)、崇高な、自分たちだけに許されたことだと勘違いしていたんじゃないかな?まるで芸術家の特権のようにだ。」というセリフが、とても刺さりました。実のところ程度の差こそあれ、そのような「勘違い」が、令和の今もなお根強く残っていることを、芸術の現場にいると感じることは少なくありません。そういう自分だって、勘違いしていることが無いとは言えないのではないかと、ヒヤリとさせられました。

ともあれ登場人物が画家をはじめとした芸術家たちであるということを別にしても、非常に絵画的な小説だと思いました。映像にしたら、とても怖くて美しいものが出来上がりそうです。ちなみにわたしの頭のなかには、ややセピア色がかったほの暗い画が、読書の間中浮かんでいました。

巻末に参考文献として、ワイルドの『サロメ』のタイトルが挙がっているのはもちろんのこと、その他の書籍も、興味深いタイトルがずらりと並んでいました。本書では、大正時代の文化の担い手(自称を含む)と彼らを取り巻く雰囲気がなんともいえず良かったのですが、著者がどんな世界観から紡ぎだしてきたのか、その「元」の一端が参考文献に並んでいました。これらも読まねばと思わせられました。

ちなみにわたしが過去に読んだ『サロメ』は、オスカー・ワイルド著と、そのオスカー・ワイルドを描いた、原田マハ著です。

『サロメの断頭台』(講談社)夕木春央著

全国47都道府県に、INPITなる知財総合支援窓口があるんですって♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

全国47都道府県に、INPITなる知財総合支援窓口があるんですって♪

「公的サービス使い倒し術」に、新たな窓口が加わりました。知財関連のサービスを総合的に担うという、その名もINPIT(インピット)。これは組織名「独立行政法人工業所有権情報・研修館」の英文「National Center for Industrial Property Information and Training」から、主要なアルファベットを拾い出したものと、INPITのサイトに書いてありました。

そもそもはふた月ほど前のこと、中小機構九州本部の専門家相談を活用して、弁理士の先生にお世話になったのでした。

その際に「コピーライトポリシーを作る」ことを課題とし、ある程度出来上がったら、再度内容チェックで相談に伺うつもりにしておりました。が、相談したのは3月で、チェックをお願いしようと再度問合せしたのが5月。その間に新年度になっていて、中小機構九州本部さんの専門家相談の仕組みも新しくなり、知財関係の専門家がいらっしゃらない状態となっていました。

そこでわたしの状況を知った担当の方が紹介してくださったのが、INPIT。福岡の窓口となっているところに、電話をかけ状況説明までして繋いでくださいました。ありがたいことです。しかも電話をしたその日の午後がちょうど弁理士さんの相談日で、今日ひとつ時間枠が空いているけれどいかがですか?というラッキー。即、相談を申し込みました。福岡は博多区吉塚にある中小企業振興センターと、中央区天神の二か所に窓口があるということで、 今回は吉塚へ。支援窓口の支援担当者さんと、弁理士さんのお二人が待っていてくださいました。

いやあ、助かりました。わたし自身が持って行った相談内容だけでなく、うちのサイトを専門家の視点でご覧になったうえで、気づいた内容についてもアドバイスをいただきました。新たに出てきた課題を解決すべくどうしたらよいか、いくつかの具体的なご提案もいただき、とても助かりました。福岡の窓口では、弁理士さんによる相談と、弁護士さんによる相談とがあり、課題内容によって支援担当者さんが、割りふってくださっていました。専門家の先生はもちろん、この支援担当者さんの熱意と力量がすばらしく、ありがたかったです。

というわけで、知財関係で悩んでおられる経営者の皆さま、もしまだご存じなければ、最寄りのINPITたずねてみてはいかがでしょうか。全国47都道府県にあるということです^^

INPIT知財総合支援窓口


読書『競歩王』(光文社)額賀澪著

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読書『競歩王』(光文社)額賀澪著

ゴールデンウィーク中に読んだ『鳥人王』が面白かったので、借りてきた一冊です。『鳥人王』が2024年2月の刊行、『競歩王』が2022年6月の刊行となっておりました。上の写真は競歩ではなく800m走の様子ですが、陸上競技つながりということで。

『鳥人王』がなかなか芽の出ないお笑い芸人と大学生アスリートだったのに対して、『競歩王』はスランプに陥っている小説家と大学生アスリートのお話。本書の一文目「ひどく矛盾した競技だった。」が、わたしの持っていた「競歩」のイメージそのもので、「だよね~」と引き込まれました。

作家である主人公とともに、競歩がどのような競技であるのかを学びながらの読書となりました。どんなスポーツもそうだと思いますが、少し知識が増えるだけで、見え方がずいぶん変わってくるものですね。正直なところを言えば、これまでまったく競歩の試合を観たいと思ったことがありませんでした。それが読後は、機会があれば見てみたいな、という思いに変わっていますので、すごいことだと思います。

と同時に、小説家という仕事についても、なるほどそういうものなのかと、のぞき見したような気持になりました。主人公の設定は、高校生のときに受賞デビューした天才(と言われた)小説家。もちろんフィクションであるとはいえ、昨今の出版業界の事情が垣間見えてくるような感じで、これまたとても興味深かったです。小説を書き続けていくというのは、きっとたいへんなことなのだろうな、と。

1990年生まれという著者。サイトを拝見したところ、スポーツ小説、青春小説を主に書いていらっしゃるようです。まだ読んでいないものばかりですので、ちょっと追っかけてみようと思います。

読書!?『丸善ジュンク堂書店 美術書カタログ2024 defrag3』(株)丸善ジュンク堂書店発行

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読書!?『丸善ジュンク堂書店 美術書カタログ2024 defrag3』(株)丸善ジュンク堂書店発行

先日「選書ツアー」で出かけた博多丸善さんで、本書を見つけました。

魅力的なタイトルと、表紙に踊る「take free」の文字に釣られて迷わずゲットしました。ページを開いてびっくり、美術好き&本好きにはたまらない一冊です。こんな素敵なカタログがあったのですねぇ。知りませんでした。

丸善ジュンク堂さんのサイトによれば、この美術書カタログ「defrag3」では、全国27店舗から49名の書店員さんが本気で選んだ203冊を紹介しているとのこと。その記念すべき第一号は2013年の刊行で、5年後の2018年に「defrag2」、そして今回の「defrag3」は6年ぶりの刊行だそうです。丸善ジュンク堂の全国の店舗で無料配布しているとのことですが、これはすぐになくなってしまいそうです。その1冊をここ福岡で手に入れることができたラッキーに感謝。

本の紹介だけでなく、寄稿文や書店員さんのコラムも面白く、63ページとコンパクトなボリュームながらも読みごたえのある内容です。それに、紙も印刷も、良いです^^ 全体的には近年発刊のものが多く紹介されていますが、なかには10年前20年前に発刊されたものもあります。自分が持っている本を紹介している書店員さんがいるのを見つけると、「あ、これわたしも持ってる!」って、なんとなく嬉しくなりますね。でも圧倒的に知らなかった本の方が多いですから、欲しい本=次に買う候補本がたくさんになりました。嬉しいやら悩ましいやら(笑)

興味のある方、ぜひお近くの店舗で探してみてくださいませ♪

『丸善ジュンク堂書店 美術書カタログ2024 defrag3』(株)丸善ジュンク堂書店発行

2024年も再放送が決定しました:NHK 美の壺「青と白の粋 染付の器」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2024年も再放送が決定しました:NHK 美の壺「青と白の粋 染付の器」。

美の壺「染付」の担当ディレクターさんからメールが届きました。「爽やかな染付の似合う季節になって参りました」で始まる文章で、今年も番組の再放送が決定したことをお知らせしてくださいました。

藤吉憲典がほぼ丸二日間撮影に協力し、2021年7月に初回放映があったNHK BSプレミアム 美の壺「青と白の粋 染付の器」。本放送の翌年から毎年この季節に再放送が決定し、四年目となる今年も、ご連絡をいただきました。撮影のときにも「人気の高い番組は、なんども再放送されることがあります」との説明を受けてはおりましたが、いやはや番組の完成度が高かったのだなぁと、今更ながらに制作チームの皆さんに感謝するばかりです。

今回はNHK Eテレでの再放送と、NHKプラスでの配信となります。


NHK 美の壺 File543「青と白の粋 染付の器」

6月9日(日)午後11:00〜11:29 Eテレ

NHKプラスでの配信(同時配信+放送後7日間)


藤吉憲典は、番組後半「三の壺」での登場となります。おかげさまで、皆さんに知っていただく機会が増えています。ありがとうございます。初回放送で見逃した、BS契約をしていなくて見れなかった、昨年までの再放送も見逃した、という皆さま、今年は地上波Eテレでの放送ですので、どうぞお時間がありましたら、ご高覧下さいませ。

NHKさんの放映情報解禁が1カ月前となっておりますので、この後の再放送情報は、その都度またブログやSNSでお知らせいたします。

そういえば、『美の壺 File543 「青と白の粋 染付の器」』のなかの映像を二次使用する形で藤吉がご協力した、日本文教出版株式会社が作る2024年度版小学校図画工作教科書に連動した「教科書QRコンテンツ」は、今年度からいくつかの小学校で導入・活用されているはずです。一人でも多くの子どもたちの心に響くといいな、と思います。

祝・カメリアステージ図書館の選書ツアー2024は、応募者が定員を超えました♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

祝・カメリアステージ図書館の選書ツアー2024は、応募者が定員を超えました♪

いつものカメリアステージ図書館、毎年恒例の選書ツアーは、例年8月に開催されていました。

素晴らしいイベントなのに、なかなか参加者が増えず、図書館スタッフの方々が毎年悩んでいらっしゃいました。「今年は時期を変えて5月に開催してみます!」というお話を伺ったのは、数カ月前のことでしたが、つい先日「今年はついに希望者多数のため、参加者抽選です!」と喜びの声を聞くことが出来ました。

さて当日、選書ツアーの会場は、今年も引き続き博多駅上にある丸善博多店さん。上の写真は、丸善さんの店内マップです。1時間から1時間半ほどで、参加者がそれぞれ10冊程度の候補本を選びます。選書ツアーは「自分が読みたい本」以上に「図書館に来る人に読んで欲しい本」を基準に選ぶものですが、いろいろな方が選ぶことで、視界が大きく広がります。広い店内、できるだけ他の方がいらっしゃらないジャンルの棚を、と思いながら本を探し歩きました。

途中、日本の古典文学が並んだ棚を眺めていると、「わたし、和歌や俳句が好きで、詠むんですけど、そういう本も選んでいいでしょうかね」と、参加者のお一人に声をかけられました。振り向くと、わたしが見ていた棚の背後には、和歌や短歌や俳句の本がずらり。同じ列にもかかわらず、まったく目に入っていませんでしたので、「ぜひぜひ!」とお返事。これだから、いろんな人の目が必要なのです。

本を選ぶ時間は楽しいですね。あっという間の1時間が過ぎて、今年も無事選書ツアー完了。あとは、司書さんがさらに選書して、選書者一人当たり2冊程度の本が図書館に納入される予定です。自分が選んだ本のなかから、司書さんのお眼鏡にかなうのはどの本なのか、その結果待ちもまた楽しみなのです。来年もまた、選書ツアー参加にたくさんの応募者があることを願いつつ。

福津市の図書館が開催する各種イベントは、随時図書館カウンターなどにチラシがおかれますし、公式サイトの「お知らせ」でも確認することが出来ます。対象は福津市の図書館カードを持っている方で、その都度イベント内容により募集対象の設定等もありますが、興味のある方はぜひ図書館で問い合わせてみてくださいね。

カメリアステージ図書館

読書『バッタを倒すぜアフリカで』(光文社新書)前野ウルド浩太郎著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『バッタを倒すぜアフリカで』(光文社新書)前野ウルド浩太郎著

念願の続編を、このゴールデンウィークに読破することが出来ました。前作をはじめて読んだのは、2018年(発刊は2017年)。

少し前に新聞(だったと思います)の書評欄で続編が出ることを知り、これは買わねば!と思いながら忘れておりました。ゴールデンウィークの初めに近所の本屋さんに行ったら、バッタのコスプレ表紙が目に飛び込んできて、そうだった!と、迷わず手に取りました。まずはその新書らしからぬ分厚さにびっくり。600ページ越えです。

バッタ博士の、10年以上にわたる探求と研究と成長の物語。今回は学術的な成果についても書くことが出来たという、著者会心の一冊なのだと思いますが、読者側からすると、学術書というよりは冒険物語。とにかく文章が面白くて、読ませます。前作もニヤニヤしながら読みましたが、今作はまたさらにスケールアップしています。電車の中で読んでいて思わず吹き出しそうになり、堪えるのがたいへんでした。

600ページ越えですので、サクッと読む、とは参りませんが、夢中になって読むことのできる一冊です。ぜひ、中高生、大学生あたりに読んで欲しいな、と思える本。まったく本の内容の紹介になっていませんが、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。面白いです。

『バッタを倒すぜアフリカで』(光文社新書)前野ウルド浩太郎著