2024年春夏現在、中国渡航にはビザが必要、ということで、情報集めから申請・発給まで―その1。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2024年春夏現在、中国渡航にはビザが必要、ということで、情報集めから申請・発給まで―その1。

北京のギャラリーで藤吉憲典の個展をしたい、というお申し出をいただいたのは昨年2023年夏のことでした。来年は予定がいっぱいで準備が間に合いませんので、再来年でお願いします、とお話するも、「ミニ個展」でもいいのでぜひ…ということで、2024年は視察を兼ねたミニ個展、2025年を本個展としてお受けしたのでした。

コロナ禍前に上海出張をしていたときは、航空機もホテルも、直前でもどうにかなりました。が、コロナ禍を経て現時点まで、日本から中国への渡航は「ビザ」が必要になりました。ビザの申請段階で、ある程度の旅程=利用便と宿泊地を決めておいた方がよいということで、早めの着手が安心のようです。わたしは、中国行きに限らず、これまでにビザの申請はしたことがありませんでしたので、ドキドキの初体験(笑)。年明けからビザ取得のための情報集めを始めました。中国に行ってきたよ、という方々の話を聞くと、「ビザ申請の代理店探しとか、早めに取り掛かった方がいいよ」というのが、皆さん共通見解。

航空会社や旅行会社のサイトからは、中国の在日本大使館や中国総領事館、中国ビザ申請センター(東京)などへのリンクが貼られています。ビザが必要ですよ、という注意喚起である以上に、渡航者が自分の責任でビザを申請・取得してくださいね、という雰囲気を感じました。実際、自身で手続きをして取得しておられる方々もたくさんいらっしゃるのだと思います。わたしはといえば、大使館や総領事館のサイトでの説明を読むも、なかなか要点が頭に入って来ません(汗)。手続きの煩雑さばかりが気になり、さらに「申請したからと言って発給されるとは限りませんよ」的な文言ばかりが頭に残り…という次第でした。

で、頭に浮かんだのは「どこか代行してくれるところないかな」です。ネット上では、中国方面の観光ツアーを組んでいる旅行会社が、東京出発の自社ツアーについては申請手続きを手伝ってくれる、というケースをいくつか見つけることが出来ましたが、福岡からで、ツアーでない旅行だとどうなるか。まずは足を運んで聞いてみようと思い、福岡市内にある大手の旅行代理店数社の窓口で質問してみたところ、各社とも「ビザの申請は、ビジネスも観光も、旅行を申し込まれるご本人様に、中国駐福岡総領事館で手続きするようお願いしています」というような回答でした(2024年4月時点)。「航空券やホテルの手配は承りますが…」って、それはまあ、当たり前ですね。

大手でない旅行会社の方が親身になってくれるかも、と、気を取り直してまずは福岡で海外旅行を企画している「旅の漫遊」さんにネットから問い合せ。ご担当者の方が素早く丁寧なご返信をくださいました。曰く、自社では中国ビザ申請のお手伝いはしていないけれど、旅の漫遊さんの取引先である「大陸旅行」さんなら、中国ビザ代行申請の実績もたくさんあり信用できますよ!とのこと。なんとありがたい情報でしょう。さっそく大陸旅行さんのサイトから、問合せを入れてみました。

「その2」へ続く!

読書『護られなかった者たちへ』(NHK出版)中山七里著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『護られなかった者たちへ』(NHK出版)中山七里著

お友だちが「今、ハマっている作家さん」として、中山七里さんのお名前を挙げていたので、気になりました。読んだことがありませんでしたので、さっそくいつものカメリアステージ図書館で蔵書検索。著者名で検索をかけたところ、出てくる出てくる、たくさんの著作タイトルが上がってきました。図書館活用の第一歩は、検索・予約・リファレンスですね。

「こんなにたくさん本を出している人気作家さんなのね!」と、驚きつつ、自分が読んでいる範囲の狭さ=まだまだ読むべき本がたくさんあることに喜びつつ、少々まとめて借りて参りました。

さて『護られなかった者たちへ』。ミステリーの形ではあるものの、その謎解き以上に、背景にある現代日本のひとつの問題点を考えさせられる物語でした。こういうのを社会派ミステリーというのでしょうか、NHK出版のサイトでは「日本の社会福祉制度の限界に挑んだ問題作!」と紹介してありました。物語中盤辺りから、事件の動機につながるものがだんだんと明らかになってくるのですが、明らかになるにつれて腹が立ち、非常に考えさせられました。

犯人が最後にSNSに残している叫びが、響きます。フィクションの形を借りた切実な訴え。読了後、この本をいったい誰に読ませたらよいのか、読ませるべきなのかと考えている自分がいました。

後日、何気なく息子の本棚に目を向けたところ、中山七里著の文庫がいくつか並んでいました。身近に読者がいたとは気づかず(笑)。『護られなかった者たちへ』は、阿部寛と佐藤健で映画化もされていたのですね。タイトルに何となく見覚えがあるような気がしたのは、そういうことだったかと思いつつ。これは、見ねばなりません。

『護られなかった者たちへ』(NHK出版)中山七里著

九響はじめ―「九響サンクス・コンサート2024」を聴いて参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

九響はじめ―「九響サンクス・コンサート2024」を聴いて参りました。

福岡県には九州交響楽団(九響)があります。と言いつつ、わたしが前回九響の演奏を聴きに行ったのは、2021年のこと。その前回も「サンクス・コンサート」=ご招待でした。

その後なかなか機会を作れずにおりましたが、九響のコンサート会員になって定期演奏会に足を運んでいるお友だちに影響を受けて、今年は九響を聴きに行こう!と思いついたのでした。調べてみたところ、会員の種類がいくつかありましたので、自分の行けそうなスケジュールをもとに、まずは一番回数の少ないタイプで入会。年に4回なら、時間を確保できるかな、いや、確保しよう!ということで。

九州交響楽団コンサート会員のご案内

チケットが一回ごとに購入するよりもお得である、ということに加え、「年間My sheet」すなわち自分の指定席が確保できるというのも魅力的です。その他にも特典がいろいろ。年4回のつもりが、初めて会員になった人には「サンクス・コンサート」のご招待があるということで、思いがけずプラス・ワンのラッキーでした。

さて「九響サンクス・コンサート2024」。九響が毎年福岡県内の中学生に向けて行っている「中学生の未来に贈るコンサート」でのプログラムを披露してくださいました。2005年以降、県内各地の中学校で、年間50公演ほども開催しているとのことです。馴染みのある楽曲が並び、わかりやすい解説が入り、来場者参加のサプライズ企画がありと、とても楽しい2時間でした。

九響はこの春から新たに、首席指揮者として太田弦さんを迎えたということで、今回のコンサートも太田弦さんの指揮によるものでした。30歳という若さのマエストロは、身体全体を使ったエネルギーを感じる指揮で、雄弁な動きとチャーミングな笑顔がとても魅力的でした。息の合った九響のメンバーのチームワークを強く感じる演奏会でした。

アンコールは、九響ならではの「いざゆけ若鷹軍団」、ソフトバンクホークスの応援歌です。つい歌いそうになり、誰も歌っていないことに気づいて口を閉じ(笑)。ともあれ全体を通して、自然と笑顔になるコンサートでした。次の演奏会も楽しみです♪

十二種類の向付(むこうづけ)、続々完成中―肥前磁器作家・藤吉憲典の仕事。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

十二種類の向付(むこうづけ)、続々完成中―肥前磁器作家・藤吉憲典の仕事。

制作における新しいチャレンジとして「十二種類の向付の新作制作」に取り組んでいます、とご紹介したのは約ひと月前のことでした。

やきものの制作工程は、ざっとこんな感じ

土こね→成形→素焼→下絵付(染付)→施釉→本窯焼成→上絵付(赤絵)→赤絵窯

で、現在は染付が出来上がった段階まで来ております。

※制作工程の詳しくは、以前にまとめた記事がありましたので、よかったらご覧くださいね↓↓

さて、向付12種類。すべて新作になるため、染付の呉須(ごす)と釉薬の種類の組み合わせがデザインと合っているか、確認する仕事も入ります。作家の頭のなかでは、窯に入れる前に完成イメージが出来上がってはいるものの、実際には「ほぼ思惑通りに上がった」というものと「ここは、こうした方がよかった」というものとが出てきます。「こうした方がよかった」の方は、呉須と釉薬との組み合わせなどを修正して、次回の窯にのぞみます。

向付とは、懐石料理に用いられる器のひとつで、お刺身など酒の肴(「お向こう」と呼ぶそうです)になるものを盛り付ける器です。お膳の向こう正面に置かれる、いわばメインの器。わたしたちも、食事をしに行くときには、料理人さんの器使いが楽しみのひとつですが、向付にインパクトがあると、やはり「おお!」となります。そもそもなぜ12種類と思ったのかといえば、和食では季節ごとに器を変えるから。ある料理人さんとお話をしていて、春夏秋冬の四季では実は足りなくて、12か月で使い分けたいし、もっと欲を言えば、1カ月に2種類あっても良いということを伺ったからです。

たしかに食材を考えても、半月違えば旬が変わってくるものもたくさんあります。ならば、ということで、まずは12種類の新作に挑戦しているのでした。ところが面白いもので、作り始めると次々に案が出てくるようです。結果、カタチだけでも12種類以上が出来上がっていて、そこに染付・赤絵・染錦と文様の組み合わせを加えたら、20種以上になりそうな勢いです。

実物をご覧いただけるのは、7月から。銀座黒田陶苑さんでの個展と、博多阪急さんでの個展がスタートになります。それぞれの個展のご案内は、またあらためて。ぜひ楽しみにしていてくださいね。

藤吉憲典の制作活動のようすは公式インスタグラムで!https://www.instagram.com/ceramicartist_kensukefujiyoshi/