こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
カブトガニが教えてくれること。
昨日はミヤコチドリ、今日はカブトガニで、浜辺情報ブログと化しておりますが(笑)。これも自然豊かな津屋崎の恩恵ゆえ。佐賀にいたときは、メールマガジンやニュースレターに、鳥や木や花など里山の自然の話題ばかり書いていたように思います。
さてカブトガニ。「浜に打ち上がってた」と、ダンナがカブトガニの亡骸を持って帰ってきました。そういえば2012年に津屋崎に移転してきて驚いたことのひとつは、カブトガニの産卵地がここにあるということでした。当時、友人から聞いた話に触発されたことをブログにも書いています。それまでにも一度だけ、佐賀県唐津の海岸でカブトガニを見たことがありましたが、「古代そのまま」という感じの姿に、言いようのない感銘を受けたものでした。
今でこそ見慣れたその姿ですが、それでも造形の妙に感嘆します。そして彼らを育む干潟の豊かさを思います。干潟はカブトガニだけでなく、たくさんの生物の生きる場所です。干潟の景色の面白さ、そこに生きるものの美しさと、その危機。津屋崎での生活が長くなるにつれ、カブトガニを見るときに感じる思いは、単純な感動ではなく自然環境への危機感も含むものになってきています。
芸術家であるダンナは常々「自然の生み出す造形や色彩の美しさにはかなわない」と言います。同時に「だからこそ、人の手が生み出せる造形や色彩の美しさを追求し続けたい」とも。創造の場において、日常的に五感を通じて自然から受け取っているものが、積み重なって大きな糧となるのだとわかります。自然環境を維持していくことは、美学的にも重要なことなのだと、カブトガニを写真に撮りつつあらためて考えたのでした。