チューリップ

再々読書『色の秘密』(文春文庫PLUS)野村順一 著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

再々読書『色の秘密』(文春文庫PLUS)野村順一 著

文春文庫のサイトに「色彩学のバイブル的著書」と書いてあります。わたしが持っているのは「文春文庫PLUS」ですが、文春文庫PLUSのロングセラーが文春文庫版として再び刊行されていましたので、リンク先は「文春文庫版」となっています。なるほど名著ということですね。

藤吉憲典の創作活動において、書画を含めた壁面作品が増えてきたことに伴い、空間装飾について考えることが多くなってきています。久しぶりに手に取りました。わたしが前回読んだのが2020年のことで、そのときも再読でしたので、一番最初に本書を読んだのはいつだったことやら。単行本は1994年刊行となっていましたので、30年前の本ですが、今読んでもなお学びの大きい本です。

文春文庫版の紹介ページに「現代人への快適色彩生活のすすめ」とあります。わたしが今回本書を開いたのも、まさに「生活空間における色彩」について学び直しをしたかったから。本書をヒントに、色の心身への影響を配慮した室内のカラーコーディネートと、差し色としてのアート作品の組み合わせを考えることが出来ます。

わたしたちはふだんから、色に対して無意識かつ直感的・感覚的に反応しています。もとから好きな色、嫌いな色がある人もいらっしゃると思いますが、多くの場合では、状況や環境によって、心地よく感じたり居心地悪く感じたり。本書はそこに論理的(科学的)な理由付けを与えてくれるものです。

これから生活空間におけるアートの提案をしていく際に、これらの知識的な裏付けがあることで、お客さまの生活空間をより心地よいものにするお手伝いができると思います。これからもことあるごとに読み直す本になりそうです。

『色の秘密』(文春文庫PLUS)野村順一 著 ※文春文庫版のリンクに飛びます。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。